田旗浩一

六本木の夜 愛して愛しての田旗浩一のレビュー・感想・評価

六本木の夜 愛して愛して(1963年製作の映画)
4.2
離れ離れに心中する方法。十年前に観たにも関わらず、十六歳の少女中川ゆきと法学部の学生峰健二(峰岸徹)の切羽詰まった恋愛の疾走に涙が止まらなくなってしまった。もし六本木映画というジャンルがあるならベストワンにする。大人も無理解ではないだけいっそう切ない。
峰岸徹と中川ゆきが香妃園別館で出逢うというのもよかった。(塩沢ときが若い峰岸を口説く瞬間も『みな殺しの霊歌』みたいでいい)その他、ゴトウ花店や丸正も今も変わらずでいい。(けど誠志堂書店はもうない。)淡路恵子の店は当時の人気店シチリアを思わせる。
田旗浩一

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