ねこまち

ユリゴコロのねこまちのレビュー・感想・評価

ユリゴコロ(2017年製作の映画)
3.5
「ユリゴコロ」語呂がなんかいい。という理由と吉高由里子さんのポスターが寂しげで美しかったので観に行きました。グロテスクで胃もたれするような作品という先入観を持っていましたが、深くもかなしい愛の物語でした。

ミサコは子供の頃から孤独を抱えていた。毎日が不安で仕方なく、安心して生きるために「ユリゴコロ」を探す。
私も子供の頃、毎日が不安で仕方なく、新しい場所に出かけるのも恐怖であり、子供なのに愛想がなくて、言葉数も少なく、友達が出来なかった。私は絵を描くことが好きだったのと家族から愛された実感がある。ミサコにはきっとなかったのだろう。彼女は殺人を犯すことで人と繋がりを持ちユリゴコロを手に入れた。

ミツコというリストカットを繰り返す不安定な女の子に出会う。ミツコにとってはリストカットがユリゴコロ。佐津川愛美さん演じるミツコが派手な格好しているのに触れたら弾けてしまいそうだった。

後半がなんだかご都合展開だなあ。と思いましたが、初めて罪の深さと愛を知り、人のために涙を流すミサコと己を不幸にした女を愛してしまったヨウスケの葛藤に揺さぶられた。

あなたの優しさには容赦がありませんでした。
その通りだと思いました。
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