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クローバーフィールド・パラドックスのとぽとぽのレビュー・感想・評価

2.5
クローバーフィールドとは何だったのか?昨日のスーパーボウルで予告が解禁され、いきなり配信された本作は10年に渡るその問いに答えてくれる作品か?ーーーー否。

1作で終われば良かった!!奇をてらって理解できないショック描写にばかり力を入れた結果、逆に薄っぺらく裏付けのないカラクリなしの仕掛けだけが残った、そんな感じーーーー時間が経ったら今回のクローバーフィールドへの怒りが沸々と込み上げてきた。POVで始まった映画がその手法を捨てるのはどうなの?ということは前作からなので良しとしても、今回の既視感と裏付けのないぶっ飛び感に嫌気が差した。ビジュアルの巧みさに隠れても的を絞れず射てない印象を受ける退屈で冗長な目先の衝撃の積み重ねが、本作の物語を思い出して要約しようとしても拒むよう。もし、もし!次作るならそろそろ色んなキャラクターのこととか収拾つけてほしいと切に思う。拝金主義のエイブラムス製作ならあり得る。


最初
頭の中「??」だらけだったけどそれなりに面白かった。エイリアンもびっくり人智を越えた不条理SFホラー、いやホラーですらないジャンルレスが余計に厄介?相変わらず、というか今まで以上に難解でクレイジーだから作り手の意図の半分も分かっていない気にさせられる。シネフィル崩れ共が分かった気になれない一種の気持ちよさみたいなものもあるけど、"パラドックス(矛盾)"という便利な言葉で片付けるには少し突飛すぎる所もある。説明不能、あるいは賢すぎるのか?とにかく宇宙船からクルー(ダニエル・ブリュール等国際的なキャストが勢揃いで、LEGENDARY FILMSの怪獣映画のように中国マネーの侵入も顕著に出ている)が吹き飛ばされるようにブッ飛び。『ブレアウィッチ・プロジェクト』×『ゴジラ』的な解釈が新しかった一作目や、ジョン・グッドマンが映画史に残る演技でとにかく最高だった前作『10クローバーフィールドレーン』に比べると、正直本作は少し弱い気もするけど、それでもまだ緊迫感溢れる衝撃という要素は残っていて遠く離れた地球のように微かな光を放っている。今までの種明かしパート的な要素もあるけど、それ以上に次の謎という種を蒔くよう(だって前作の主人公女性の勇姿とか見たいでしょうが!)。最後に取って付けたような怪獣感も賛否両論ありそう。よくあるSFホラーの系譜かと思ったら『インセプション』のような難しさもあり、結果クローバーフィールドはクローバーフィールドでしかないと悟る。

大切だからもう一度言う、クローバーフィールドはクローバーフィールドだ!つまり始まってBAD ROBOT PRODUCTIONのが流れる。

TOMATOMETER12%AUDIENCE63%
勝手に関連作『サンシャイン2057』『エイリアン』『スフィア』『ライフ』
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