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散歩する侵略者のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

散歩する侵略者(2017年製作の映画)
3.3
不倫旅行途中で何故か病院に保護されていた夫・真治(松田隆平)挙動も言動もおかしい。
妻・鳴海(長澤まさみ)は彼の裏切りに激怒しつつ放置も出来ないので家へ連れ帰る。
同じ頃、一家バラバラ殺人事件が起き、成行きでその取材へ赴いた記者・桜井(長谷川博己)は「僕は宇宙人なんだ。地球を侵略するんだ。そのために概念を集めてる」という少年・高野(高杉真宇)に出会い疑いつつも彼の行動に付き合うことにする。

昔なら長谷川博己さんの役は役所広司さんだったかもなあ……とぼんやり思いつつ、意外にもいい感じの長谷川さん。
一番美味しい役どころでもあったと思う。
演技、健闘してた、なんか好き。

高野少年役の高杉さん、どっかで観たなーと想えば『賭ケグルイ』のヘタレ君か!!
こういうスカしたタイプも似合うな!

宇宙人の目的は『概念』集め。なのでちょこちょこ台詞が言葉遊びみたいになっている。

物語の冒頭が夫の不倫で夫婦関係は冷え冷え。そんな中に手のかかる大人の子供状態の夫が戻り面倒をみなくちゃならない鳴海さん、気の毒に……。

真治が鳴海をガイドに毎日を過ごすことで、(浮気前の)昔の彼に重なる→情が移って見捨てられない→侵略が始まる→逃避行の流れに。

一方ではちゃくちゃくと侵略カウントダウン。
何だかんだと付き合ううちに情がわいたか桜井は最後にひとり大奮闘。

爆破シーンより、雲の真ん中が紅くなりファンネル飛ばしてきたような映像が良かった。
爆破シーン等の派手なところはCGかなー。
ちょっと惜しいような……でもこういう演出になるのは監督らしいとも思う。

スキャンダル後の現在観たせいか、東出昌大さんが愛を説く場面に思わず突っ伏しそうになりましたwwww

黒沢監督作の中で好きな方です。