散歩する侵略者のtapeのネタバレレビュー・内容・結末

湿度低めの映画。ボーッと見てるとそのまま終わりまで行ってしまうような映画だった。劇中、大して必要性を感じない場面で無関係の人物が1人だけ歩いているシーンが何箇所かあり、印象に残る。劇中の中では、この通りがかりの人物が鍵を握っていたりするのかもしれないと感じていたが、そういった事はなく単なる日常的なシーンであり、映像にすると不審な人物に見えてくる所が興味深い。
愛とは何か？自分と他者とは何か？言葉とは何か？概念を奪ってしまう宇宙人のやり取りで、答えのない多様なものを議論するが、むしろ私はその答えのなさで葛藤する様を見たいと思ってしまった。好みでしかないが。
ただ、極めてドライに様々な概念を画一的なモノとして奪っていく流れにした事で、個の愛を奪う瞬間は傍観者としてしっかりと看取れたとも感じる。
カメラの挙動と構図が決まっていないと思ってしまう箇所が多いように感じた。
キャストの芝居も対照的になるようなものとして、しっかりと心得た演技をしていると思ったが、どこまでも傍観者でしかなれなかった私は見ていて若干退屈だった。
シンギュラリティを現実的に描いたらこんな感じになるのか？とふと感じた。