もりぞー

散歩する侵略者のもりぞーのネタバレレビュー・内容・結末

散歩する侵略者(2017年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

タイトルが満点。
次回、ウルトラセブン第32話
「散歩する侵略者」みたいな。
だから、ウルトラセブン観てる感覚で観た。

松田龍平の「放っておいても地球人は勝手に滅ぶ」みたいなセリフがあって印象的だった。
ちょっと違うけどセブンのメトロン星人も同じように「思いやりを欠如させることで人間同士は互いに攻撃し合う。我々が手を下す必要が無い」と語っていた。(このセリフはこのエピソードのオチのフリでもあるんだけど。)
メトロン星人は「思いやり」の「概念」を知っていた上で侵略に臨んだけど、まぁセブンが出て来ちゃおしまいですね。

この作品の宇宙人は「概念」集めを侵略の糸口にしようと行動(散歩?)してる中で、色々端折るけど「愛」と言う「概念」に行き着く。
行き着いた先が純粋な「愛」
正にLOVE&PEACE
知ってしまったから「攻撃」なんて以ての外になってしまって、知らなかったから「勝手に滅ぶ」と結論付けてしまったのだろう。

人類の方には「愛」と言う、本当は誰にでも有るのに、「概念」を言葉や行動にする力が無くて、だから自信が無くて、みんなそうだろうと思っているから、この世界に嫌気がさして、いっその事侵略してくれと言わんばかりに宇宙人に手を貸す人物が現れたり、分かり合う事を最初から放棄して排除しようとする人物が現れる。


その中に宇宙人へ「愛」の「概念」を与え、結果的に侵略を阻止した人物がいるが、彼女自身も「愛」が自分自信を突き動かしている程の、そして戦いを終わらせる程の「概念」である事を知らなかったのだろう。
その「愛」を具現化出来るくらい、与えたはずの宇宙人を通して与えられていたのがなんとも言えない。

争いを終わらせる為には「愛」だけで無く
「代償」も必要だと考えさせられるようなラストは一瞬、この監督らしさでもある、胸糞悪い感じかなと思ったけど、これも「愛」の形であると考えてもいいし、終わったと言う事は始まりでもあると捉える事にした。


宇宙人の地球侵略計画はこうして終わったのです。でもご安心下さい、このお話は遠い遠い未来の物語なのです…。え、何故ですって?…我々人類は今、宇宙人に狙われるほど、愛と言う概念を理解していませんから…。
もりぞー

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