CAMPDALT

ミッドナイト・エクスプレスのCAMPDALTのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

2024年の目線で脱獄モノとして観ると各所がユルい。
特にクライマックスで実際に刑務所を抜け出すくだりはあまりにもご都合的。

1970年代のアメリカがトルコに対して抱いていた感覚が保存されているショーケースとしては秀逸。
発展途上の二流国として見下しながら、イスラム教という不気味な異文化に対する恐怖もビンビンに感じている。
異国で収監されてしまった主人公の目線を通して、エスニックなBGMの使い方も含めて「理解できない野蛮な国」というベクトルでパッケージされている。

トルコの人が観たらどう思うのか聞きたい、とも思わない。
日本も散々やられてるからよく分かるもの。

「豚だらけの国なのに豚を食わねえのか」のセリフは今なら通せなさそう。
あくまでも非合法手段であるところの脱獄の達成をさも偉大な業績のように語るラストはあまりにも一方的。

この50年で世界はもうちょっと公平になった。
面白くはなくなったのかもしれない。
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