ももまま

ターシャ・テューダー 静かな水の物語のももままのネタバレレビュー・内容・結末

4.9

このレビューはネタバレを含みます

2017年のマイベスト1映画。(^-^)

ターシャ・テューダーは、私の憧れのライフスタイルを実現する女性であり、数々の魅力的な著作を持つ絵本作家であり、世界のガーデニングを愛する人々を魅了し続ける人物です。
『ターシャ・テューダー 静かな水の物語』は彼女の生誕100年を記念して製作された映画であり、2008年に92歳で彼女が亡くなるまでの10年間の映像を映画化したもので、なぜ彼女が今も世界中の人々を魅了して止まないのか、その魅力の秘密を解き明かそうと試みた映画です。

映画ではこれまであまり語られることのなかった彼女の生い立ちやその人生、家族、人生哲学が美しい映像と共に語られますが、何より観客を魅了するのは、彼女の言葉です。
「人生はあまりにも短くて、不幸に陥る暇などないのよ、人々は気付いていないけど。」
「悲嘆にくれる人というのは、下を向いて光が作る陰を見ている人なの。私は顔を上げて、眩しい光を見続けるわ。」
「幸せは自分で創り出すものよ。」

映画の中で紹介されますが、彼女が一番愛した座右の銘は「夢に向かって自信をもって進み、思い描いた人生を生きようと努力するなら、思わぬ成功を手にするだろう」というヘンリー・D・ソローの言葉であり、映画の終盤、観客は愕然とするのです。
ターシャを取り巻く美しい庭や花畑や18世紀を再現した農家の暮らし、自然環境はもともとそこに存在していた訳ではなく、彼女の「夢」が40年の歳月をかけて創り出した世界であり、その中に動植物が生息しているのだと映像を通じて気付かされるのです。

決して上映館数が多いとはいえないミニシアター系映画の中に特別な宝石のような作品を見出すことが出来るのは、映画ファンの無上の喜びです。
何度でも観て、言葉と美しい映像をかみしめたい映画だと思いました(^-^)✨
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