カント

ラスト・キング 王家の血を守りし勇者たちのカントのレビュー・感想・評価

4.6
ノルウェー史劇。後の世に「ノルウェー史上、最も偉大な王」となるホーコン4世。幼き日の4世を、命を賭して守り抜いたビルケバイネル(王の守護兵)の名も無き戦士の物語。

▼スポーツの「マラソン」は古代ギリシャ戦争中の「マラトンの海戦」の故事をオマージュしていますが…
「ビルケバイネル」は、スキーのクロスカントリーで「ビルケバイネル記念大会」が行わている程、ノルウェー本国ではホーコン4世とビルケバイネルは有名。スキーを駆使した殿戦も見所です。
ホーコン王とビルケバイネルの関係性は、日本に例えるならば徳川家康と服部半蔵忍者軍団って所でしょうか。
▼甚だ個人的な趣味ですが…月刊アフタヌーン連載中の漫画「ヴィンランド・サガ」(現在19巻刊行)は北欧バイキングを主題にした壮大な物語で…21世紀中に描かれた傑作漫画トップ100に入るであろう素晴らしい作品です!本作は、時代も国土も「ヴィンランド・サガ」に酷似していて!個人的に胸熱の高評価✨✨✨

▼1204年。史実ではノルウェー内戦中。王に仕えるビルケバイネル派と対立するバグレル派。
インゲ王(ホーコン3世)に敵対する王弟ギスレ。王を幽閉し、東部の村の王の隠し子も殺そうとする。

ビルケバイネルの戦士シェルヴァルド。対立派、裏切り者ストーレに妻子を殺され砦に逃げる。
シェルヴァルドは追撃をくぐり抜け、戦士トシュテンと共に赤ん坊ホーコン4世を守り抜く。
食糧も無く、泣く王子。乳の変わりに雪を溶かして飲ませるシェルヴァルド。
「この子は、ノルウェーの未来」
※ビルケバイネルは、バイキングの血をひく戦士なのでトマホークや、北欧神話でお馴染み雷神トールのハンマーなど北欧神話ファンも胸熱✨

▼王弟と結託するインチキ聖職者。王弟ギスレはクリスティン姫を無理やり娶ろうとする。
▼砦の攻防。シェルヴァルドの熱き思いが少数の農民達の心を動かす。
王家の存続を願うのは忠誠心の発露か。王位継承の証の銀の首飾り。
▼王救出の為、ギスレの婚礼の場に乗り込むビルケバイネルの戦士達。「カリオストロの城」の婚礼シーンを想起させる良い場面。

▼ちなみに(関係ないけれど)「三国志」の趙雲子龍が劉備の子、劉禅を助けるエピソードも好きです。…忠誠心の発露から主君の赤子を守護する趙雲子龍💡本作のシェルヴァルド同様、裏切らない男ってカッコいい😆
カント

カント