B級怪獣エイガ

ぼくの名前はズッキーニのB級怪獣エイガのレビュー・感想・評価

ぼくの名前はズッキーニ(2016年製作の映画)
4.7
親にワケあり孤児たちの友情ストップモーションアニメーション。

ストップモーションするなら3DCG使えやいいのにと思う人もいると思うが、一つ一つの動きを人間の手作業で動かすためどうしても『お手製』感が出るストップモーションは、この作品において制作陣のキャラクター達に対する【愛情】と【温かみ】が存分に感じられる大きな要因で、作品の1つのテーマと重なる。だからこの作品はストップモーションでやる意味がある。

作中であるキャラが『僕達は誰にも愛されていない。』と嘆くセリフがあるが、決してそんなことは無い。劇中の先生に仲間たちは勿論、制作陣、そしめ今作を鑑賞した観客の僕にも愛されているんや。

66分の短い上映時間で何回もグッとくるシーンがあり、特にラストの1連のシーンと『音楽爆音で聴いていた赤髪のシモンが青髪のズッキーニに飛びかかってからその後の1連のシーン』が最高に愛おしくグッときた。
この赤髪のシモン、作中出てくる子供の中で【1番子供で、そして1番大人】。何回も胸を打たれた。多分もし親が帰ってきて1番嬉しくて幸せで泣くのシモンだし親が帰ってこなくて1番悲しむが1番泣かないのもシモン。出てきたキャラクター皆好きだけどシモンはブッチギリでマジで好き。この作品の主人公は自分の中で完全にシモンとなった。
シモンとズッキーニの関係はベタだけどシモンがホントいいからこの関係も最高になる。

内容が内容だけにある程度暗いがキャラデザや背景などのミニチュアが安っぽいけど可愛く不思議な魅力があるので子供も全然おすすめできる。最後の''2つの部屋''の内装とか可愛くて好き。カモノハシのあの絵、凄く欲しいね。

またシーンシーンも最高でヒロインのカミーユとズッキーニが夜雪に寝転がるシーン、訪れるお化けコースターのシーンとかすごく綺麗で&楽しい。ま、みんなで雪合戦するシーンが一番綺麗なんですがね、お客さん。

今作、全然近くでやってなくてなかなか見れなかったが今回やっと近くで公開されて劇場に足を運んだけどほんま見れてよかった。今後もブルーレイ買って大切に繰り返しみたいかなり好きな作品となった。