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チップス先生さようならの方眼のレビュー・感想・評価

チップス先生さようなら(1969年製作の映画)
4.2
1969年”Goodbye, Mr. Chips”。堅物のパブリックスクール教師が、ノリの良い歌劇女優と結婚、学園ドラマと夫婦の物語。ミュージカル映画ではあるが、虚構内ラインは慎重に考慮。ドラマ中で登場人物が突然歌いだすのは終盤の1箇所だけで、あとは劇中劇で歌い踊っているか、脳内思考が歌の形でこぼれ出すか。デート場面でもキャサリンの心情の歌に、二人の会話が重なっている。歌手ペトゥラ・クラークが明るく空気読まない感じでヒロインを演じ、役者連中から浮いているが、それがオトゥールとの対比にもなって良い効果。彼女がチップス先生をどんどん好きになっていく過程で、言っている言葉や態度が、直感型のキャラクターを象徴。チップス先生は、厳格かつもってまわった独特の表現で、妻や生徒や学園への愛を語る。teacherでなくmaster。同じ場所で違う動き、悪い知らせのタイミング、花や彫像や手紙など小道具、要所で頑張っている空撮など好印象。
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