浅野公喜

ラマになった王様の浅野公喜のレビュー・感想・評価

ラマになった王様(2000年製作の映画)
3.8
タイトルの通り王様がラマに変えられてしまうディズニーアニメ。王様クスコの吹き替えはタツヤ・フジワラ(最初はちょっと違和感有りますが慣れるとお調子者感よく出てます)。

このクスコ、部下をすぐにクビにするだけでなく感謝しないし改心した風に見せかけて裏切ったりと主人公にあるまじき傲慢さで元部下である悪役のイズマやクロンク達に裏切られてるのも納得。

しかし仲間となるパチャと助け合うことで良心を持ち始める流れとなっており、中盤では慕っていると思われたイズマ達にもこき使ったことで恨まれている(=ここがイズマ達にも同情する点だったりする)と知ったうえにラマとしての生活にも慣れず孤独になるのですが、パチャという人間の優しさに触れ感極まって泣くのは自分自身が喜怒哀楽有る人間と認識し人間に戻るんだという目標や意識に目覚める所であり、さり気無い名場面。言動とは逆に窮地を救ったり、二人で背中合わせで崖をよじ登ったのが後で再び活かされる点も良く、終盤の「二者一択」でははっきりとクスコの心の変化が分かるのも魅力的です。

勿論コメディ要素も素晴らしく、ディズニーらしく軽快且つスピーディーなキャラの動きとストーリー展開、メタ演出や行動の選択を迫られた際の天使と悪魔、向こうのアニメ特有の空中で浮いてると気付いてからのタイムラグ落下等間髪を入れず繰り出されるネタの数々は見事であっという間に観れてしまいました。

挿入歌の「Perfect World」は作詞作曲にスティングも関わり歌ったのはトム・ジョーンズと地味に豪華。
浅野公喜

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