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いぬやしきのmitakosamaのレビュー・感想・評価

いぬやしき(2018年製作の映画)
3.9
良いんじゃない〜〜〜〜〜〜〜?かなりの完成度だと思いますけど!
同じ佐藤信介監督で同じ作者のGANZSが、個人的には微妙だと思っていたので、今作は超感嘆したわ。
やっぱりGANZSと違い、原作のマンガが完結してからの映画化したのが功を奏したのではないのでしょうか?全体通してストーリーがブレていなかったもん。

家族や会社からつま弾きにされている老人“犬屋敷”さんと、娘の同級生“獅子神”が宇宙人らしき者から改造手術を受けサイボーク化。
社会に失望した獅子神は大量殺人に、犬屋敷は人助けに力を使い、二人が対決する。家族を守る自信を取り戻す老人・犬屋敷の活躍。

序盤のダメお爺ちゃん犬屋敷の居たたまれなさ描写のストレスが、後半のアクションで一気に発散される爽快さ。
映像レベルの高さ。SFバジェットのデザインの秀逸さ。
人に必要とされなかった犬屋敷が、超能力で人に必要とされる喜びに目覚める展開+自身と母の境遇に世を儚むる獅子神が、超能力で社会に対する怒りを発散させる展開。二人の対照的なキャラクターの比較が実に上手い。

俳優陣もみんな良いが、やっぱりノリタケだよなぁ。まさかバラエティ番組“みなおか”の放送終了のタイミングで、こうも見事な俳優としての手腕を発揮するとは。しかも良い感じの老け役ですよ。これは俳優業で重宝される存在になるんじゃないか〜?松重豊とか小日向文世みたいな名バイプレーヤーになる可能性があると思う。

佐藤信介監督作品の中でも一番好きかな。こういう作品が作られるなら、邦画の未来も悲観したものじゃ無いよ。
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