Lily

太陽の雫のLilyのレビュー・感想・評価

太陽の雫(1999年製作の映画)
3.6
時代に翻弄されたハンガリーで生きたユダヤ人一族の親子4世代の物語。4世代目が語り手となり親子3世代3役を演じているがそれぞれを個性豊かに見事に別人として演じていた。3時間と長編だが実際の歴史通りに時代が次々に変化して、物語は過ぎ長く感じられない。

ハンガリーの革命や動乱の歴史、当時のヨーロッパ情勢やユダヤ人として生きていく状況を学び感じられる映画。ハンガリーで生きて行く為にハンガリーの姓に変えて、改宗もし、国家の為にと努力を重ねユダヤ人と決別しても同化出来ず、しかし希望を捨てない。

冒頭に出てきた家伝のレシピ本が見つかって収束するのかと思いきや、人生 残るものはなく全て消え去る。何にも縛られず、自分の意思で自由に生きて行く彼のラストシーンは清々しく、人生において何をするべきか見失った時に見ると何か得られるものがあるかもしれない
最後に出てくる言葉で脳裏に残ったのは
以下の2文。
1 誰も信じるな 自分の目で確かめろ
2 知らない事に手を出すな 不安か病気になる
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