まぐろさばお

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのまぐろさばおのネタバレレビュー・内容・結末

2.8

このレビューはネタバレを含みます

クルエラのクレイグギレスピー監督に、主演マーゴットロビーということで結構期待を持って見たけど個人的にイマイチでした。

まず貧しく教育も常識もないがハングリー精神の塊のスポコンドラマを見せたいのか、ブラックなコメディを見せたいのか、シュールな笑いを見せたいのか、ドキュメンタリーテイストのシリアスドラマを見せたいのか・・非常に全体がチグハグ。

展開のテンポが極めて悪く、挿入されるエピソードもストーリーが停滞しており何のために入れているのかわかりずらい、停滞していても各々のシーンに突き刺さる何かがあればいいが、特になく野卑な暴力シーンと口喧嘩を見せられるだけ。

編集もドキュメンタリー的にインタビューを入れており社会派的に時事問題をしっかり捉えていきたいのかと思いきや、次のシーンではカメラ目線でモノローグをべらべらとフィクショナルに喋ってコミカルに振り、トラックアップでスピルバーグ的な感情表現をしてドマチックに振る、などリアリティを自ら失ってしまうような演出をしており、演出家が自分でビルドしてまたそれをすぐ自分で壊すような振り回し方をしており、一体何を軸に表現したいのかわからず見ていて振り回される。

まるでクラシックコンサートの装いで登場したのに急に天井からたらいが落ちてきたと思ったら、またラフマニノフで感動を演出し始めるようなもので、どう受け止めていいのか混乱しかしない。

演出家が自己満足でこれもできるあれもできるとテクニックをアピールする場ではない。テーマに合わせて使い分けないと、目的と手段が混同されている。