yuki

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのyukiのレビュー・感想・評価

4.5
リレハンメルオリンピックはリアルタイム組ではなかったのですが、フィギュアファンの母からナンシーケリガン襲撃事件のことは何度も聞いたことがありました。
当時のメディアが書き立てたようにトーニャ・ハーディングは悪女だというイメージがあったのですが、この映画はまさしく彼女のセリフ通り「うそっぱちで真実」なのだと思います。
複数人のインタビューを基にそれぞれの視点からの「真実」が描かれていて、それは他の人からは「うそっぱち」と言われていたり…最後まで飽きさせない展開ですごく面白かったです。
ラヴォナの毒親っぷりが本当に強烈!最後の最後までクズすぎてもう…
才能がありながらも愛情に恵まれずに育ったトーニャは自己評価が低く、典型的なDV男ジェフと愛し合ってしまったのも組み合わせとしては最悪だったのでしょう。運命の歯車の噛み合わせがもう少し違っていたら、トーニャはスターとして煌びやかな人生が歩めたのかもしれないと思うとなんとも言えません。
また、理想のスケーター像を求めるスケ連や視聴率を稼ぎたいメディアなど、あの事件で漁夫の利を得た外野の存在に、スポーツ界の闇を見た気がします。
栄光と転落を経て、もがきながら泥臭く生きているトーニャの強さが心に残る映画でした。フィギュアスケートが好きな人には特におすすめです。
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