ベビーパウダー山崎

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

3.5
突き詰めると貧困と、その地続きにある教育の問題に行き着く。頭が空っぽな人たちの間抜けな騒動をブラックコメディとして扱うのは当然すぎて、それほど驚きはないが、ふと見えてしまうトーニャ・ハーディングのどうしょうもない淋しさ(コスチュームを裁縫していたり)に真顔になる瞬間はある。見る前は『スター80』かなと思っていたが、見終わると『マン・オン・ザ・ムーン』の肌触りに近い。若すぎる女性がケツ出して踊る「見世物」フィギュアスケートってのをストリップの反転(アメリカの理想的な家族とかその綺麗事への皮肉)として描いている気もする。15才から中年まで演じきるマーゴット・ロビーが見事。