持て余す

ピーターラビットの持て余すのレビュー・感想・評価

ピーターラビット(2018年製作の映画)
2.6
ひたすらピーターたちを愛でていないと乗り切れないぞ。

冷静に考えると、このウサギたちの行動はほぼわがままでできている。ビアトリクス・ポターとおぼしき女性の隣人マグレガー氏は、確かにやや嫌味な人だけれど、丹精込めて育てた家庭菜園を荒らし放題に荒らす動物──害獣を退治しようというのは自然な行動だ。

気の毒なマグレガー氏か死んでしまったあとにやってきた甥の方のマグレガーは相続した家と庭が荒らされていたから、原因を排除しようと奮闘していただけだし、隣人と仲良くしようとしたら半野生で家を荒らすウサギに邪魔をされる。こんなの嫌に決まってる。

本来、この印象を覆すのは主人公側の動物──この映画で言えばウサギの可愛らしさである筈で、全体の印象もそこ一点にかかっている。

ところが──、

CGのウサギがなんだか可愛くない。ポターの描いたピーターたちはもっと上品で繊細な感じだったと思うのだけど、この映画のウサギたちは変に生意気でガサツな感じがする。動物なんだから当たり前なのかもしれないけれど、ならば上品に服を着ているのもおかしいわけで、このイメージのズレは結構大きく感じた。

──というところがひっかかって、フラットな気持ちで見られなかったから、ドタバタ劇からのうまくまとまる過程もイマイチ楽しめなかった。

ただ、実写の風景の中でCGのキャラクターが動き回るアクションシーンはお見事だった。感電シーンはひと昔前の日本のコントを感じて素直に面白かった。
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