とくとみろか

ザ・ウォールのとくとみろかのレビュー・感想・評価

ザ・ウォール(2017年製作の映画)
3.5
壁と2人の物語

荒涼とした砂漠地帯に崩れかけの壁がひとつ。その壁を挟んでこっちと向こうで、アメリカ兵とイラク人が狙撃攻防戦を繰り広げる。

言ってしまえば、たったそれだけの映画。
始まって30分、画面が動かない‥‥このまま、負傷してわーわー言ってるアメリカ兵を見続けるのかな?うわ、しくったかも‥

そう思ったのは最初だけでした。
マジで壁と人しかでてこないのに、ここまで飽きさせずに(最初若干飽きたけど)観させられる構成力?脚本力?がすごい。

多分、戦争は何も産み出さないよー的な事が言いたかったのかなと思うけど、まあそれはそれって言うか、他の構成の仕方の戦争映画でも伝えられる事。
それよりも、場面も変えず、大した盛り上がりもなく1人のアメリカ兵の丸三日位をただひたすら追いかけてるから、ひたすらリアリティが見えることと、心理的な駆け引きがこの映画の醍醐味だと思った。

痛そう‥とかは言わずもがなで、銃で自殺しようとするんだけど、やっぱムリーー!的な演出とか、実際こんな場面に直面したらそうなるんだろうな、ってのがひしひし伝わって来た。主演の演技もうまかったんだと思う。声質的にはすぐ殺される脇役って感じだけどw

心理戦もみどころで、イラク人は声出演のみだったけど、声だけで中東系だなってわかるのがすごいね。
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