たそがれの漫画史研究家オジサン

アナライズ・ユーのたそがれの漫画史研究家オジサンのネタバレレビュー・内容・結末

アナライズ・ユー(2002年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

BS松竹東急にて。
初めて見た。

昨夜の前作より、私好み。
通常、続編的な作品は、前作よりも内容が見劣りすることが多い中、この作品の出来は珍しく私好みにパワーアップ。

アメリカのテレビドラマで演じられるマフィア役の役者へのパロディ、テレビ業界関係者に向けてのパロディが、知らなくても笑えた。

結婚や葬儀など、人生の一大転機に巻き起こる大騒動。

父親を早くに亡くして、犯罪組織に入ったロバート・デ・ニーロと、偉大なる父親に対するコンプレックスに葛藤する精神科医、それぞれの生き様が、深く掘り下げられている。

いつの時代も、未成年の時は、与えられた家庭環境や、境遇から、選択出来る進路が限られてしまうことがある。

山形県庄内地方の出身、戦前まで地元の大地主だった父親を小学生の頃に亡くし、戦後の中卒だった私の父親は、戦地より復員して来た年の離れた長兄が父親代わりとなり、育てられた。
祖父の代まで地元の大地主だった父親の実家は、戦後の農地改革のため、伯父は大地主から、一農家に。

八人兄弟の八男だった私の父親は、横浜に上京。

私が子供の頃、大学進学のため、山形県から上京して来た次兄の息子となる従兄弟のお兄さんや、短大進学のため、山形県から上京して来た長兄の娘となる従姉妹のお姉さんの面倒を、横浜に住む叔父さんとして、とても良く見ていたことを覚えている。

中卒の学歴しかなかった父親は、息子である私を大学に進学させたかったのだろう。

従兄弟のお兄さんが、大学に進学するために上京して来たことをとても喜んでいたし、従兄弟のお兄さんのことをとても褒めていた。

中学時代より、横浜鶴見の街の雰囲気に感化されてしまい、不良少年になってしまった私は、暴走族に所属する同級生の非行少年達との度重なる喧嘩のため、通っていた神奈川県立の最底辺高校ですら、何度も停学を食らい、退学寸前だった。

高校二年生の秋、父親が病のため長期入院した際、私は、父親を喜ばせようと、父親に

「大学に進学する為に勉強するよ」

と約束をする。

高校三年生の五月、父親は、47歳で癌のため亡くなってしまい、父親の父親代わりだった伯父は、今度は私の父親代わりとなった。

駿台予備学校で、一浪後、明治学院大学社会学部社会学科の夜間に進学。

四年間成績優秀で、当時、成績の上位8%前後の狭き門だった奨学金の貸与を四年間受け続け、卒業。

父親と同じく戦後の中卒の学歴しかなかった母親は、小学校の調理員、給食のオバさんとして私が大学へ進学する際の学費を工面してくれた。