日本語と英語を話す者としては本当に面白い映画だった。両方の言語が分かるせいで、一つのシーンに含まれる情報量が多過ぎるのは玉に瑕ではあったが、日本語を理解できるが故に理解できる皮肉や意味を拾えたのは楽しかった。
今までここまでに、日本を汚めに表現できた外国人監督が居ただろうか。含まれる要素は確かに、ステレオタイプな日本は多かった。しかし多くの映画で日本は美しく表現されすぎだと感じて居た。日本の監督でさえも、日本を美化し過ぎることはよくある。例えば、「君の名は」なんかはその代表格じゃないだろうか。私の目には、あんなに日本の景色がキラキラして見えたことはほとんど無い。
でもその私が感じて居た絶妙な日本の汚さ、そして奇妙さをまことしやかに表現してくれたように思う。非常に新しい、且つ正確な日本の表現をしてくれたように感じた。
ストーリーも端々、日本の歴史に繋がるものがあって、たくさんのリサーチの上でこのストーリーを作り上げたのだろうなという痕跡を強く感じられる。
何よりこの時代に、フィジカルメイキングだけでここまで良いストップモーション映画を作り上げたことに尊敬の念が募るばかりだ。
