つかれぐま

犬ヶ島のつかれぐまのレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
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18/5/28_HUMAX池袋#4

本人も作品もオシャレなウェス・アンダーソンが作る、ギラギラとした黒澤明作品へのオマージュ。対極とも思えるこの取り合わせの妙が見所。

舞台は20年後の日本。
と言っても、そこにはちょんまげ頭が居たりする「アンダーソンの頭の中で創作された」JAPANだ。黒澤や宮崎駿の作品、寿司、相撲といった日本文化には深い愛情が感じられる。

その一方で、日本人の持つメンタリティーの長所短所、主に短所をわりと容赦なく皮肉ってくる。どれもみな当たっているだけに思わずニヤリとさせられてしまった。ネトウヨの方々が見たら発狂しそうだけど、これは認めざるを得ない。

画面の隅まで日本語が踊る。
作品美術の一つの要素に過ぎないのかもしれないが、(その意味が解る)我々日本人には頭が渋滞しかねない情報量だった。ここは賛否が分かれそう。

引用元と思われる黒澤作品を列記しておくと、「七人の侍」「酔いどれ天使」「用心棒」「悪い奴ほどよく眠る」「どですかでん」だったかな。