つかれぐまさんの映画レビュー・感想・評価

つかれぐま

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バットマン リターンズ(1992年製作の映画)

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<主役はペンギン🐧>

バットマン映画史上、最もバットマンの影が薄い。ペンギン🐧とキャットウーマン🐱という二人のヴィランへの感情移入を促す怪作。

特にペンギンのキャラクター作りの凝り方は半端なく、下
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トータル・リコール(1990年製作の映画)

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「インセプション」の20年前。
同じく<夢>の話。

知的興味を刺激するのがあちらだとすれば、こっちは「面白いものが見たい」原初的欲求にダイレクトに応える≒下品な楽しさ(褒め言葉)。

どこからが夢な
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ほえる犬は噛まない(2000年製作の映画)

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<ポンジュノ、デビュー作>

軽いコメディかと思いきや、意外にもポンジュノの原点そのものだった。

「パラサイト」の格差間問題は本作で既に垣間見えるし、犬を喰べる人間が「グエムル」では怪物に喰われる因
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

4.5

21/7/19@調布_ULTIRA

母を失った少女が、母と同じ勇気を持つことで、彼女を理解し許し「また逢いたい」と言えるようになるまで。

細田守信者ではないが、前作「未来のミライ」への酷評に心を痛
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サマーウォーズ(2009年製作の映画)

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伝統と革新。

そのハイブリッドこそが、未来を明るくできる。そんな願いの込められた素晴らしき虚構世界。

明るい未来を想像しづらい現代だが、本作公開当時もリーマンショック等で閉塞感に覆われていたことを
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バケモノの子(2015年製作の映画)

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師弟の話としては良かった。

ただ父子の話としては一番肝心なところがダメ、というか嫌い。血縁が無いとか、そんな小さい理由じゃなくて。

前作「おおかみこども・・」で母性を描いた細田守。次の題材はどうや
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シャイニング 北米公開版(1980年製作の映画)

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21/7/12@TH新宿#1

"Forever and Ever"

午前十時の映画祭<デジタルリマスター版>。何度も見た作品だが、劇場では初。オープニングの空撮の迫力、ホテルの広さ、走り回るダニー
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ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

4.0

21/7/8@調布_ULTIRA

<見事な新旧交代>

「キャプテンマーベル」で試みた<女性エンパワーメント>の語り直しに成功!そしてナターシャへの鎮魂歌。

おなじみマーベルのテーマが鳴り響く📯
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ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

2.5

21/7/8@調布ULTIRA/dtsX

映画とは消費されるもの。
何も残らなくてもいい。
改めてそんなことを思う「一点の曇りなき」清々しいまでのバカ映画。

観たいものが観れる。その看板に偽りはな
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おおかみこどもの雨と雪(2012年製作の映画)

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<親子の蜜月と終わり>

雨と雪の「選択」と、どの子供にも訪れる「巣立ち」を重ねて表現することで、子を持つ親が共感しやすい。

(妻のおかげで)子育てを終えた自分には刺さった。祝福すべき巣立ちの時は、
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ヴィジット(2015年製作の映画)

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「貴方はもう騙されている」

予告編の最後にシャマランがこう語っているが、そういうことか!というか、全然気が付かなかったよ。

伏線、ミスリード、2台のPOVと様々な手を使って観客を混乱させ「真相に辿
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夏への扉 ―キミのいる未来へ―(2021年製作の映画)

3.5

21/6/28@調布#10

僕はピート🐱の肩を持つ。

60年前のアメリカの原作が、ちゃんと今の日本の話になっている。これは良い改変だ。難病、貧困、ヤンキー・・そんなのばっかの日本映画には希少なスマ
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岸辺の旅(2015年製作の映画)

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<異人たちとの夏>

黒沢清ファンにはいつものホラーとして、ビギナーには良質の夫婦ドラマとして楽しめる。NHKが地上波放送したほど、黒沢作品では一番間口が広い。

と言っても、題材があれなだけに、観る
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蜩ノ記(2013年製作の映画)

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美しい日本の四季。
美し過ぎる物語。

新作「峠」の公開が延期になってしまった小泉監督&役所広司のタッグ。その前作は豪華キャストにも関わらずあまり話題にならなかった。

フィルム撮影とバシッと決まった
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クワイエット・プレイス 破られた沈黙(2021年製作の映画)

4.0

21/6/21@T渋谷#3

"Beyond the Father"

「無音」演出は、遮音性の高い映画館ならではの体験。「子を思う父の映画」という枠から飛び出していく子供。彼らの自立を見守る幸福。
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ブラック・スワン(2010年製作の映画)

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<悪魔に魂を売ってでも>

公開当時、知り合いのバレエ好き中年女性が、顔真っ赤にして怒っていたことを思い出す。そりゃそうかもとは思うが、自分のようなボンクラ映画好きには最高の作品。

現実と妄想のシー
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ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)

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譲れない「理念」。

王道を往く上品な語り口。
正義を振り回すことなく、静かに語られる「道徳」。

相反する二つの概念が、等価なものとして語られていく。
国家と個人、若さと経験、軍人の勇気と学生の知性
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ガメラ3 邪神<イリス>覚醒(1999年製作の映画)

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アナログ特撮を極めることで始まった3部作が、CGとの幸せな融合で完結。そして「あのアニメ」との素晴らしきシンクロニシティ。

前2作をメタ視しながら、研究者と被害者、そして大人と子供という相反する二つ
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ガメラ2 レギオン襲来(1996年製作の映画)

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地球外生物
     電磁波
最終防衛線
     殲滅戦

消滅するのは・・
日本か・・レギオンか・・。

パワーワード並ぶ予告編の通り、シリーズ最高傑作だ。

地球外生物の繁殖を食い止める
=外来
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ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年製作の映画)

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<平成ガメラ始動編>

平成ゴジラの作品評価が決して高くなかった時代。本作からの3部作は、その完成度で宿敵を圧倒。後の「シン・ゴジラ」さえも(平成ゴジラではなく)本シリーズの遺伝子を継いだと思える。
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

3.5

21/6/9シネクイント#1

デヴィット・バーン。
声量、体力、センス、69才とは思えぬ凄いパワーに圧倒される。それでいて威厳めいたものはなく、誰からも受容され、誰でも受容する。そんな懐の深さが伝わ
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ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日(2012年製作の映画)

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哲学的テーマと映像技術。
両者のマリアージュを堪能する美しい叙事詩。

信じられない程に美しい映像が続く。悪く言えば(CGばればれの)過剰なレベルだが、徐々に「何故そこまで美しいのか?」が解ってくる。
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デッドプール2(2018年製作の映画)

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<雑多が生む多幸感>

メタネタが前作から更に増量。マーベルやDCに留まらず、007とかMIPとか、ここ10年くらいのアクション映画サンプリング集みたいで楽しかった。

キーになる新キャラ・ケーブルを
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デッドプール(2016年製作の映画)

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<ワムは ” ワム!” だ>

こんな利己的なヒーロー、
もといアンチヒーローがいる世界も捨てたもんじゃない。

劇中で語られるウエイドの人生、それは実に悲惨極まる不幸のテンコ盛り。そこに飲み込まれず
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サイン(2002年製作の映画)

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<家族の再生:三部作完結>

「シックスセンス」「アンブレイカブル」は、いずれもサスペンスという表層下の家族再生物語だった。本作でもこのテーマを更に掘り下げて、ひとつのゴールに到達した印象。

シャマ
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アンブレイカブル(2000年製作の映画)

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<早過ぎた?ヒーロー論>

そして早過ぎたヴィラン論。本作が「スパイダーマン」「ダークナイト」よりも数年前に製作されていたことの意味合いは大きい。

力を持て余したヒーローの葛藤。
天才的ヴィランが自
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.5

21/6/1@府中#6

<ありそうでなかった視点>

「酔う」ほどに息苦しいが、見て良かったと思える秀作。非論理世界を観客に体感させるために、論理的に映画を構築する脚色が見事。

「酔う」といっても
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ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

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<人工的ハイテンション>

観るドラッグ。それ以上でも以下でもない「グッドフェローズ」の系譜を継ぐ、疾走系長尺ピカレスクもの。

マーティン・スコセッシ。
齢70を越えてなお、お盛んなことでと称賛した
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ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

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<人類誕生譚>

人間に知能を授けたのは?
そして地球の「創造主」は?
という壮大な「神の否定」。年代的に明らかに「2001年」インスパイア作品で、作画では「風の谷のナウシカ」へ影響を与えたらしい。
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アナイアレイション -全滅領域-(2017年製作の映画)

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<美しく知的に描く異世界>

理解不能な「不自然」を、安直に「悪」としない語り口が知的好奇心を刺激する。「この異世界を受容できる?」そう問いかける本作は、監督の前作「エクスマキナ」同様に微妙な後味を残
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エクス・マキナ(2015年製作の映画)

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<重層的な話を貫くアート>

"エヴァ”の美しく斬新な造形。自然の中の無機質というロケーション。監督デビュー作とは思えない、風格ある映像センスだ。

社長、青年、エヴァ。この三者それぞれの視点に切り替
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街の上で(2019年製作の映画)

4.0

5/19@UL吉祥寺#3

古着、古本、バーの烏龍茶。

必需品ではないが、それを必要とする人はちゃんといる。そんなモノで出来ている作品。ボツになった18テイクもそうだ。

恋愛でも友情でもない、名状
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エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

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ポスターの印象とはだいぶ違う。良い意味で。

複雑で、シニカルで、その奥の深~い底にある微かなロマンを、観る者が能動的に見つけ出す。そんな構造の凄い脚本。

共感できなかったり、倫理的にアウトな人も出
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キャビン(2011年製作の映画)

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人の<好き>を笑う悪趣味。

久しぶりに嫌いな作品。
B級ホラー好きにしか分からない構造を取りつつも、その作り手とファンへ痛烈な皮肉をかます。「人の好きなものを、そいつらのやり方で笑ってやろう」という
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アルゴ(2012年製作の映画)

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<絶妙なバランスの上で>

史実の力を最大化するフィクション。CIA、映画産業、アメリカ、それらを貶すでも讃えるでもない。そしてアメリカ対イランという「表層」を、個人対集団という「本質」へ見事に変換。
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彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)

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愛されなければ、愛せない。

育児放棄という負の継承。
その連鎖を止める愛の話。

人をバカにしたような「レンタネコ」と同じ監督とは思えない。自ら「第二章の始まり」と語る本作は、たんにトランスジェンダ
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