つかれぐまさんの映画レビュー・感想・評価

つかれぐま

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あの頃ペニー・レインと(2000年製作の映画)

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15才で音楽ライターになった少年が、憧れのバンドの全米ツアーに同行取材。そのバンドのグルーピー(懐かしい言葉!)女子の一人、ペニーレインへの初恋。

少年視点からの様々な(そして愛すべき)大人たちの描
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アメリカン・グラフィティ(1973年製作の映画)

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25/3/14@イオン多摩❹
#午前十時の映画祭14

ジョージ・ルーカスが『スターウォーズ』の前に撮った青春映画。こちらの感傷を煽ることもなく、極めて"raw"に作られているので、その後多くのフォロ
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

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ケイシーアフレックとミシェルウィリアムスが、何やら神妙に対峙するこのポスター。2人の間にこんな重い過去があったとは・・作中の弁護士の言う通り「想像を絶する」。

命より大事な息子を、主人公・リーに託し
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ANORA アノーラ(2024年製作の映画)

4.5

25/3/2@イオン調布❷

She did it!

観ておいて良かった~。
おかげでアカデミー授賞式が楽しかった。主演女優賞まで獲るとは!3年ぶりに好きな作品が作品賞に。昨年のは真面目過ぎ。一昨年
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マイ・レフトフット(1989年製作の映画)

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引退したダニエル・デイ=ルイスが最初にオスカーを獲ったアイルランド🇮🇪映画。

小児麻痺で左足=レフトフットしか動かせない主人公・クリスティの半生だが、この障害者にステレオタイプの「聖人」的イメージは
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ブルータリスト(2024年製作の映画)

4.5

25/2/25@調布_IMAX

アーティスト・村上隆が『ロードオブザリング』を「大聖堂」と評した寄稿を読み、なるほど大作映画=巨大な建築物だなと合点がいったことを思い出した。本作は正に精巧に設計され
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ナチュラル(1984年製作の映画)

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いい映画だけど『フィールドオブドリームス』『メジャーリーグ』『フォレストガンプ』あたりを混ぜた話でオリジナリティが・・なんて思ってフィルマを開いてみたら・・

どれよりも本作が一番先だった!
という無
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野生の島のロズ(2024年製作の映画)

3.0

25/2/12@新宿ピカ❺
吹替版:綾瀬はるか他

無人島に漂着したロボットと動物たちの話で、人間はほぼ登場しない。ディズニーなら逃げる食物連鎖=弱肉強食を当たり前のこととして描く、この導入は素晴らし
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セブン 4K版(1995年製作の映画)

4.5

25/2/5@調布_IMAX

4Kリマスターされて映像も音もエッジが立ってキレキレ。話の中身だけでなくルックも『ダークナイト』と重なるが負けていない。もっとも本作の方が10年以上早いのだけれど。
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ミッドナイト・ラン(1988年製作の映画)

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中年男二人の逃走劇という汗臭くなりそうな題材を軽妙洒脱にみせてくれる。懐かしの「日曜洋画劇場」的アクション+コメディの正統派。

ちょうど映画の真ん中、主人公が別れた妻子に金を借りに行くシーンがある。
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リアル・ペイン〜心の旅〜(2024年製作の映画)

4.0

25/2/1@Whiteクイント

ザッカーバーグ「青年」を演じたアイゼンバーグも40を超え「中年の危機」を迎えたようだ。そういう迷いが滲み出る監督二作目。

出演しなかったデビュー作と違い今回は主演
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トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦(2024年製作の映画)

4.5

25/1/29@バルト9❾

数年前たまたま九龍城砦の画像を見て「ここを舞台にした『ザ・レイド』的な映画があれば」と思っていたら、本当に観れてしまったという自分には嘘みたいな話。特に香港アクション映画
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アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方(2024年製作の映画)

4.0

25/1/22@Kino新宿❶

トランプを創ったのは誰?それは悪徳弁護士ロイ・コーンだと言わんばかりの前半。当時の撮影?と見まがう70~80年代NYの再現が凄い。だが後半から潮目が変わり、ラストシー
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I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ(2022年製作の映画)

4.0

25/1/8@アップリンク❶

今年最初の映画館はカナダ🇨🇦からの良作!テーマはド定番・少年の成長だが、それを見守る大人の成長も等価な扱い☺「映画愛」はテーマを表現するための演出手法。映画最高!的な自
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ルックバック(2024年製作の映画)

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背景美術への感謝と、あの事件の犠牲者の供養、作者自身の漫画で生きることへのコミットメント。それらが凝縮された濃密な57分。

漫画は人の人生すら変えてしまう。良くも悪くもその怖さを描いているという点で
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キャロル(2015年製作の映画)

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見事な撮影と美術で1950年代のクリスマス🎄を再現。現像までこだわったフィルムの粒子残り感が美しく、当時の作家・ホッパーやロックウェルの画集のような味わい。

その画の力で、声を上げることがままならな
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陪審員2番(2024年製作の映画)

4.5

「正義」は真実を歪める

その過程を克明に、厳しく、容赦なく。これが94才の視点とは信じられない。(もちろん次回作を期待するが)こんな凄い「遺作」は映画史上類を見ないのでは。*コメント欄に今年のベスト
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街のあかり(2006年製作の映画)

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近くの小さな幸せに満足しない、それ故に孤独な男。そんな彼に映画はどこまでも冷たい。そこに気付くまで繰り返される不幸。

短くて見やすいから、カウリスマキはついつい見てしまうな。

密輸 1970(2023年製作の映画)

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【韓流タランティーノ】

立派な人間どころか、一般的に「正しい」人間は一人も出てこない。それでも「応援できる人間」と「●んで欲しい奴」を描き、ちゃんと信賞必罰してくれる痛快!

三幕構成ごとの感想は、
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ミスティック・リバー(2003年製作の映画)

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『許されざる者』を語り直すイーストウッド。このテーマ「暴力の連鎖」は更に後年の『グラントリノ』へ・・。

少年時代に性暴力を受けたデイヴ。ある日、酒を飲んだ帰り「男が少年を買春する現場を目撃した彼はと
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赤ひげ(1965年製作の映画)

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約20年続いた黒澤&三船の邦画史上最強タッグ。「黒澤ヒューマニズム」と言われた王道を往く作風。東宝&自己プロダクションによる製作体制。本作はそれらの最後を飾る作品だ。

三十郎と権藤社長『天国と地獄』
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続・激突!/カージャック(1974年製作の映画)

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『激突』と『JAWS』の間に作られた、スピルバーグの劇場デビュー作品。『激突』とは何の関係もないパチモン邦題がひどいけど、中身は面白い

脱獄囚とその妻が、警官を人質にしてパトカーで逃走。客観的に見れ
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6才のボクが、大人になるまで。(2014年製作の映画)

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Time flies.

家族四人(ボク、姉、離婚した両親)の12年間を、同じ俳優&子役で12年かけて、たった1本の映画のために撮影という今後絶対に実現不可能なプロジェクト。

主人公メイソン君が大学
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ダークシティ(1998年製作の映画)

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「目の前の現実は、本当の世界の姿ではない」

そういう中二男子の妄想を最初に具現化したのは『マトリックス』だと思っていたが、その約1年前に本作がやっていたのか。たった1年で上書きされた悲劇の作品

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Love Letter(1995年製作の映画)

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Rest In Picture

思い出深い映画。
いつかまた観ようと思いつつ、その時の感想を寝かせたまま四半世紀が過ぎてしまった。まさかこんな形で再会するとは・・😭

博子が死んだ恋人・藤井樹(以下
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ライトスタッフ(1983年製作の映画)

5.0

193分:完全版

映画に何を求めるか?
と訊かれたら「カッコ良さ」と答える。身も蓋もない言い方だが、色んな要素を削ぎ落としていくと、最後に残るのは自分の場合コレなのだ。その意味でこの映画は最高。男た
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インソムニア(2002年製作の映画)

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クリストファー・ノーラン、メジャーデビュー作。興行的に成功し、ワーナーはバットマン3部作を彼に任せることになる。

ノーラン作品唯一の「他人の脚本」。田舎の少女殺害事件に、都会のキレ者刑事が颯爽と乗り
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グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024年製作の映画)

4.1

24/11/21@新宿ピカデリー❶

24年ぶりながら意外にもガチな続編。英雄マキシマスら前作の人物はほとんど死んだはずなのに、彼らがまるで「そこにいる」ような継続性が。大好きな前作の価値を高めてくれ
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捜索者(1956年製作の映画)

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かつての西部劇≒白人中心史観と指摘されて久しいが、逆に後年になって評価を上げた作品もある。
今ではジョン・フォードの最高傑作と言われる本作だ。

世界の巨匠たちが(フランスのヌーベルバーグやアメリカの
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ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)

4.5

24/11/13@アップリンク❶

【九月の青い空】

台詞なし。シンプルな線画。
そんな2Dアニメーションに心をぐちゃぐちゃにされてしまった。あの曲をこれからどんな気持ちで聴けばいいの?

アース・
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北北西に進路を取れ(1959年製作の映画)

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平凡な主人公が、スパイ組織から敵対人物と間違えられるのが話の発端。さらに殺人の冤罪を着せられた男は、警察・スパイ・反スパイ組織の3者から追われるのだが・・

こうしたスリラーと並行して展開される、美女
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キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

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ようやく観た『ジョーカー』元ネタ。違いは主人公・パプキン(デニーロ)が最初から狂人という点。「彼はなぜ狂ったか?」に焦点が置かれた『ジョーカー』とは違い、本作はそこを掘り下げない。むしろ粘着される側の>>続きを読む

フレンチ・コネクション(1971年製作の映画)

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【無加工の暴力】

主人公・ドイルは刑事ではあるものの、その行動原理は暴力衝動そのものという荒っぽさ。やられたらやり返す。目的の為には一般市民の犠牲も気にする素振りがない。

映画の8~9割が追跡か尾
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エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

4.0

24/10/29@ル・シネマ❼

公開20周年・35mmフィルム上映。デジタルに慣れた眼には、寝ぼけたような映像が違和感。だが慣れてくると、疲れない心地よさが。半分はジョエルの夢の中という本作には丁度
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ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

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長年避けて来た予感は的中。
出来が良過ぎて=怖すぎて、もう二度と観たくない。

胎児への薬害恐怖。
実在する悪魔崇拝。
妊娠による心身の不安定。
それらが不幸にして噛み合ってしまうサイコホラー。

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グラディエーター(2000年製作の映画)

5.0

24/10/23@シアタス調布❷

【敵は大ローマ帝国!】

勇敢な将軍マキシマスがゲルマン族と大戦争を繰り広げるオープニングから、人徳のない二世皇帝の陰謀により身をやつし、剣闘士として殺し合いをやら
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