資金、プロモーション面やコマ撮りの円滑さはMr.FOX以上
話の筋やテーマはMr.FOX以下
という印象でした。
あらすじは
『圧政を敷く権力者とそれに従う社会に、追放された弱者の犬たちとアタリ少年はどう立ち向かうか…』
話は「どこかで見たな…」と思うほどシンプルでグイグイ進んで引き込まれますし
いつものシンメトリーな絵、カメラのスライドは言わずもがな。
今作のパペットは生きてるかのように歩き、飛び、食べ、吠え、風に毛がなびいていました。
髪や毛はアルパカ等の毛が植え付けられ、表情の表現に3000以上のパーツが作られたと言います。
けれど前作、ファンタスティックMr.FOXでのテーマ「野性」みたいな物を感じ取れず…
家族愛?動物愛護?多様性の容認?人間の愚かさ?
ウェス監督の日本愛、つまり日本映画愛ですが
黒澤映画のオマージュや引用に埋もれてしまった、のかなぁと。
あと劇場ポスターやチラシでスポッツのキャッチコピーとして「大好きなアタリに、もういちど会いたい」となってるんですが
お前大して会いたがってなかったやんけ…よろしくやってたやんけ…
現実はそんなもんっていうジョークなら面白いけど。
ただいつも通りの
キャスト、絵力、カメラのパンやスライド、ビジュアル、ブラックジョーク
は健在で終始ニヤニヤして見ていました。
ウェス流の日本、それが詰まっています。