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犬ヶ島のmaiのレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
3.7
ウェス・アンダーソンだなぁという映画です!

お話としては、意外性だとかが特段重視された作品ではないので…その点は若干の物足りなさは感じました。が、なんといっても、この映画の魅力って「犬と人間が心を通わせる」や「キャラクターの魅力に引き込まれる」「アニメーションの凄さ」「日本へのリスペクト」といった、ストーリー度外視の部分な気がします(決してストーリーがおざなりなわけではないのですが、そこのみに期待すると…といった感じです)。

言葉が通じない(イヤホンつければいけるけど)なかで、犬たちとアタリが協力し合う姿は素敵でした。相手の意図を言葉から読み取ることはできないのに、感じ取って展開していく…また、会話ができてないのを示すシーンもあって、そこを強調したいのが伝わってきました。
そして、キャラクター(特に犬たち)がプライドを持ってるところが魅力的です。それぞれにちゃんとバックグラウンドがあって、それに基づいたプライドを持っている…生きたキャラクターとして描き切れてるのが流石だなと思いました。
そして、一番の魅力が「日本へのリスペクト」と「ストップアニメーションのすごさ」だと思います。もうワンシーンごとに映像を止めて、目を凝らしたいってくらいに作り込まれてるアニメーションは凄いですし、外国から見た日本のイメージっていうのも新鮮でした。ディストピア感満載なのが面白いなぁと思いましたし、音楽とか描写に日本らしさを入れてきていて、日本への愛を感じました!時々ぶっ飛び設定な日本を描いてる映画もあって、なんだかなぁと思うことがあるのですが、この映画は日本の文化や特徴へのリスペクトと愛を持って、少しジョークを交えながら展開していくのが良かったです。

ウェス・アンダーソンが好きかどうかによりますが、わたしは好きな映画でした!
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