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バッカス・レディのlmlのネタバレレビュー・内容・結末

バッカス・レディ(2016年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

ソーヤングでソヨン
終活は難しいけど。
フリーの売春はただでさえ危険なのに、高齢になってまで...高齢だからこの仕事を生活のためにするしかない。
半ば強制的に口淫させられるシーンは悲しいと言っていいのか。
怯え、震え、泣きながら、男性たちの最期の願いを叶える姿は、本当に胸が痛む。
ODで自殺した男性から受け取った金品のほとんどをお賽銭に入れてしまったシーン。
そしてそのお金を身寄りがない者たちで穏やかに使うシーン。
公園ですれ違った、女性集団のように朗らかで安穏とした普通の人生を歩めなかった孤独な背中。
平凡な人がホームレスになるような、この歯車が噛み合わなかった感がとても悲しい。

トランスジェンダーがきちんと当事者だったのは好感。

「本当のことは誰にもわからない
外から見て判断するだけ」
医師を刺し殺そうとした外国人女性の内情も
自殺幇助を重ねてしまった売春婦の内情も
社会から気にも留められない
社会が無関心になっていく寒々しさと対照的なソヨンさんの情は、孤独な者同士だからか。
同胞で身を寄せ合って生きていくしかない。
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