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マイ・ビューティフル・デイズのaymmのレビュー・感想・評価

3.8
舞台を見つめて涙ぐみ立ちすくむ女性。
彼女の涙のワケ、そして向き合う「舞台」という存在がこの映画のテーマ。
決して淡い初恋とか、教師と生徒の禁断の恋模様とかではないので注意。(ちょっと期待してた)

《人生につまづいた女性が、自分の人生という「舞台」に向き合う》
この映画の主人公は、英語教師をしているアラサー女性のレイチェル・スティーヴンス。
生徒を導く立場でなければいけないと努力するも、心の傷を修復できず、行動はブレまくり。
演劇コンクールの引率として参加した合宿では、生徒を応援してるようで、動揺を隠せず奔放な言動もとってしまう。
演劇の「舞台」で奮闘する生徒たちを目の前にして、自らの人生という「舞台」を顧みた彼女。
まさかって所からどストレートに正解だされると怯んでしまうものですね…。



《ティモシー・シャラメ以外では成立しない名シーン》
この映画にとって最も説得力を持ち、強い印象を残したシーンは、ティモシー・シャラメによる独白シーンです。
「セールスマンの死」の一節を演じ切った彼の役者としてのエネルギーは凄まじい。

彼が、役に入り込んだ時に見せる繊細な心の色味や放つ勢いは、
直球で観る人の心を揺さぶり、くすぐる。
彼なしではこの映画はあり得なかっただろうと思わざるを得ません。
だからこそ個人的にはもっと観たかった…!変わり者のキャラ設定の割に先生よりまともだった気がしてしまいました。

原題「Miss stevens」の通り、彼女のストーリーだとして観ると楽しめるのかもしれません。
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