ヒロ

奴隷の島、消えた人々のヒロのレビュー・感想・評価

奴隷の島、消えた人々(2015年製作の映画)
4.2
【隠された大韓民国の闇】
『トガニ 幼き瞳の告発』、『チェイサー』、『殺人の追憶』に引けをとらない韓国実話モノの新たな名作誕生。

天然塩の名産地として知られるとある孤島。そこで違法な人身売買が行われているという噂を聞いた女性記者ヘリは、後輩のカメラマンと二人で取材に向かう。数ヶ月後、ヘリは意識不明の重体、後輩のカメラマンは死亡したという報告が。残されたのはすべてを収めたカメラのみ。事件の真相は………???

すべてを収めたハンディカムの映像で8割方が語られる。なかなか明らかにされない真相や映画的構図を無視したPOVの映像にテンポの悪さと違和感を感じるが、その映像を時系列で追っていくため二人とともに取材しているような臨場感を得られるドキュメンタリータッチのストーリーテリング。上記したもの意外の何かしらの違和感を常に感じるがなんなのか分からない。それが不安を駆り立てる。
そして残り20分、ともに追っていた二人の視点がミスリードであったことに気づいたが時すでに遅し。そうなればもう衝撃すぎる展開をただただ受け入れ、劇中で感じた不安は悍ましい恐怖となって観客を飲み込む。

“人類同胞に対する最大の罪は、彼らを憎むことではなく、無関心であることだ ” バーナード・ショウ
ラストの引用が秀逸すぎる!

久々に僕が好きだった本物の韓国映画を観た気がする(O_O)

2017-14

《未体験ゾーンの映画たち 2017》
ヒロ

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