ビリーピルグリム

バリーのビリーピルグリムのレビュー・感想・評価

バリー(2016年製作の映画)
4.0
オバマ元大統領の大学生時代の一時期を描いた映画。

黒人にも白人にも馴染めず、どこに行っても浮いている気がしたり、白人のガールフレンドの愛情を「僕のどこが好きなんだ」と素直に受け取ることができなかったり。人の見えてる世界と自分の見えてる世界のギャップで孤独を感じたり。

人種差別も描かれているけど、アイデンティティ拡散や等身大の青年の悩みが描かれていて、社会問題でもあるけど青春映画みたいな感覚で観てた。少しセンチメンタルな色は強めだけど観て良かった映画でした。

島国育ちの私にアメリカの人種差別の苦悩を完全に理解することはできないけど、コンプレックスで頭がいっぱいになったり、どこにも居場所が無いかもと思ったりする気持ちならわかるから、なんだか泣けてしまった。きっと誰しもこんな風に悩む時期はありますよね。

黒人系初の大統領になった人にもこういう風に悩む時期があったんだなと思うと、なんとなく励まされる。最後は、自分の持ってるごちゃごちゃな性質こそアメリカ人らしさだみたいな、ポジティブな結論が良かった。どうして彼が大統領になろうと思ったのかが少しわかるような気がしました。

疎遠のお父さんに手紙を返せずに終わってしまったことが本当に悲しかったけど、きっとバリーなら父の影を追いながらも自分の答えを見つけ出せたんだろうなと思う。

追記: アニャテイラージョイがほんとにほんとにほんとにかわいい。最後のダンスで離れていくバリーを涙目で見つめるシーン、切ない!!、!!😭