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私たちはどこに行くの?のpherimのレビュー・感想・評価

私たちはどこに行くの?(2011年製作の映画)
4.3
レバノン、砂漠の小村でムスリムとクリスチャンの男達が諍い合う。女達は対立の兆しを村から遠ざけようとする。だが燻る火種は容易く発火する。女達の下した笑撃的慈愛の決断。黒海対岸から舞い降りた白人美女集団が加わり、村は絢爛の一夜へ突入する。剣に滅ぶな男ども。

互いの殺戮に至る宗教対立というシリアスなテーマを、レバノンの重層的な歴史文脈をも取りこぼすことなくユーモラスに描き切る『私たちはどこに行くの?』。男は皆争い女は皆宥和を望む戯画的な構図が、開幕数分の群舞を最終的に昇華させる構成の絶妙。


『存在のない子供たち』のナディーン・ラバキー監督。2011年の第2作『私たちはどこに行くの?』ではご自身の出演を知らずに観て、群舞中央で異様な存在感放つこの姐御何者!?って目が喰いつきっぱなしでした。『存在のない子供たち』でも少年を守る女性弁護士を好演、ガチ綺麗。
図→https://twitter.com/pherim/status/1154155392953249792
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