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エクスペンダブルズ ニューブラッドのRのネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

映画館で友人1人と。

2024年のアメリカの作品。

監督は「ネイビーシールズ」のスコット・ウォー。

あらすじ

新戦力を迎え、「ニューブラッド」として生まれ変わった「消耗品費軍団」エクスペンダブルズが挑む今回のミッションはテロリストが所有する核兵器を奪還すること。もし失敗すれば第三次世界大戦が勃発しかねない危険なミッションに挑む彼らだったが、敵の卑劣な策の前にミッションは失敗に終わり大きな代償を支払うことに…。失われた仲間の意志を、そして仇を討つため再び、エクスペンダブルズは立ち上がる!!

正月休み中、一作目からおさらいでシリーズ一気観して、ようやく2024年、劇場での「映画初め」に決めて鑑賞してきました!!

ただ、一足先に観られたフォロワーの方々の評価も賛否分かれてるし(若干否が多いか…?)、Filmarksの評価も低い分、あくまでハードルは低めに設定して観たんですが…。

結論としてはつまらないわけじゃない!!ただ、シリーズ一地味…というか食い足りねー!!って感じでした。

お話はあらすじの通り、いつも通り仲良しこよしなバーニー(シルヴェスター・スタローン「スライ スタローンの物語」)とクリスマス(ジェイソン・ステイサム「オペレーション・フォーチュン」)。冒頭は、「ワルに賭けで負けて取られた「幸運の指輪」を取り戻すの巻!」という感じで2人で殴り込んでドッタンバッタンいつもの如く年甲斐もなくヤンチャしてる様が微笑ましい。

ただ、その分その以外の「エクスペンダブルズ」の面々a.k.a「ニューブラッド」の面々は様変わりしている!

まず、シーザーもいなければ、ヤンもいないし、ドクター・デスもガルゴも、(正確にはエクスペンダブルズではないけど)トレンチももちろんいない。唯一残っていたトール(ランディ・クートゥア「デーモン・ハンターズ」)はほとんどそのまんまで安心するけど、ガンナー(ドルフ・ラングレン「ベストマン 最強の介添人」)なんか髪がオシャレモップヘアーに丸メガネとなんかすげぇ洒落乙なジェントルマンになっとるやないか!!

これは流石に前作から約10年経ってる分、色々と「大人の事情」が重なった結果なのかもしれんけど、もうまずこの時点で寂しすぎる。

加えて、生き残りメンバーの「老い」も結構進んでて、ガンナーなんか見てくれは若々しくはあるんだけど、老眼がきているのかスナイパーライフルで2度も外しちゃってメガネかけないと狙い定んなかったりと、おいおい、こんなん見たくねーよ笑。

で、いなくなったメンバーの代わりに新メンバーが2名加わっているんだけど、まずはスライとは「大脱出」シリーズ3作で、ステイサムとは直接的な絡みはないけど、コメディ映画「SPY」で組んだ経験もラッパーの50セント(「ザ ・アウトロー」)演じるイージー・デイ。他の作品だと割とコメディリリーフになることが多い彼だけど、今作では寡黙な戦士!という感じでトールの運転するバギーの上から機関銃をぶっ放したりとパワフルなアクションを展開、シーザーの遺伝子を継ぐキャラクターとなっている。

そして、なんと父親はバンデラスが演じていたガルゴ!という出自を持つジェイコブ・スキピオ(「マッシブ・タレント」)演じるガラン!!演じてる俳優さんは全くご存知ない感じなんだけど、キャラクター的には父親譲りのベシャリでチームを煩わせる感じが微笑ましくもあるんだけど、真顔で喋ってる分、ちょいサイコみもある感じ。

で、そんな新戦力を迎えて挑むミッションではなんと前々から事前情報で漏れ出ていて知ってはいたけど、なんとあの「エクスペンダブルズ」の絶対的リーダーのバーニーがのっけからやられてしまう…。

やった相手はこの人!出ましたシラットの名手にして「ザ ・レイド」を筆頭に「スカイライン」続編や「シャドー・オブ・ナイト」でも超絶アクションを披露したイコ・ウワイス(「我が拳に復讐を」)演じるスアルト・ラフマト!!主役のイメージが強い彼だけど、今作では冷酷な組織の幹部を演じていて、ちょっと新鮮。それまでのシリーズではエリック・ロバーツだったり、ヴァンダムだったり、メルギブだったりと往年のアクションスターのイメージが強かった今シリーズの悪役も遂にアクションニューウェーブがやってきたかと時代の波を感じる!!

で、そんなラフマトによって、飛行機ごと爆破されてしまい、バーニーを乗せたまま墜落…。まぁ、でも飛行機ごと爆破とくればどっかで生きている希望もあるよな!と普通にたかを括って観てたらガッツリ「幸運の指輪」をつけた焼死体なんか発見されちゃったりして、いや、ガッツリ死んどるやんけ!!

で、そんなバーニーの犠牲と、バーニーを助け出そうと任務をほっぽったクリスマスのせいで任務は失敗…。意気消沈のクリスマスは任務失敗の責任を問われて、エクスペンダブルズを追い出されてしまう。

で、死んだバーニーの代わりにエクスペンダブルズのリーダーに就任するのはクリスマスの現彼女(あれ?浮気女の彼女とは結局別れたんか??)、ミーガン・フォックス(「バトル・オブ・キラーズ」)演じるジーナ!!彼女といえば「トランスフォーマー」シリーズのイメージだったけど、そっからちょっとずつアクションのイメージもついてきて、今作では実に銃の似合ういい女キャラを体現!!また、ステイサムとはくんずほぐれずの「痴話喧嘩アクション」も披露してくれ、これまでの女性キャラクターの中ではなかなかいい役!!ただ、しわくちゃなスライやステイサムのアップの後だと、なんか美容液かなんか注入してるのか、不自然にシワがなくてのっぺりしているようにも感じちゃうのが玉に瑕笑。

また、女性キャラクターでもう1人、レヴィ・トラン(「ファイトクラブ・レディズ」)演じるラッシュ。「ラッシュ(鞭)」の呼び名の通り、細い鎖みたいな武器を鎖鎌みたいにブンブン振り回して戦う様はかなりトリッキーでジーナとはまた別の意味で印象深い。

キャラの濃いジーナとトリッキーな武器を使うラッシュとここも時代の流れか、男臭い本作でも露骨にガールズパワーが幅を利かせているのはなんだか新鮮だった。

で、そんな新チームとは離れて職探しを始めるクリスマスが次に選んだ職場は、なんとインフルエンサーのSP!!そこでは完全に「トランスポーター」ファン歓喜のそのまんまなスーツ姿の披露するサービスショットがあるんだけど、いけすかねーインフルエンサーをボコして秒でクビに笑。

やっぱ、俺の居場所はエクスペンダブルズしかねぇ!とジーナに仕込んだナイフの追跡装置で、新チームが向かう、ラフマトの潜伏する船上の基地へlet's go!!

というわけでクライマックスとなる船上バトルが繰り広げられるんだけど、ここではバーニーがいない分、なんと今作ではプロデュースも手がけるステイサム演じるクリスマスのまさに独壇場!!敵から奪ったバイクでなんと船内バイクチェイスを繰り広げたり、仮面ライダーか!ってくらい、対面するバイクに乗った敵とブルンブルンいわせた後、バイクジャンプしてぶっ倒すかっちょいいアクションを披露したり、もちろん特技のナイフスキルやガンアクションも適度にあったりするんだけど…。

こっからは不満点に入ると、まぁ端的に言って監督のセンスがない!!プロデュースを兼ねている分、ステイサムの「オレ様」アクションが増えている点はまぁ良いとしても、やっぱそれまでのシリーズに比べて観ても圧倒的に見せ場が少なすぎる…。トールやガンナーもまぁアクションの見せ場が少ない上にトールなんか敵の奇襲で負傷しちゃうし、新メンバーのイージー・デイやガランもなーんかうっすいなぁー。あと、ガランで言うとバーニーが死んだことの心神喪失で喋らなくなってしまったという伏線の回収タイミングそこかよ!!そんな中途半端なタイミングで喋るんだったら、その設定果たしているんか?ギャグとしても滑ってるし!!

あと、1番なんだかなーと思ったのはイコ・ウワイスと「黒幕」の扱い!!

「黒幕」はまぁ、情報が漏洩している!って時点で味方側にいるとは思ってはいたけど、個人的には「そっちかー」と言う印象しか受けなかった。そもそも悪役としてのイメージはあるもののそこまでアクションのイメージがなかった分、その死に際はあっけな〜としか思わなかったんだけど、せっかくバーニーが長年追いかけていた敵ってハードル高く設けて、もったいつけたんだったんだら、サプライズゲスト(それこそシュワちゃんでも…よくはないか笑!)呼んでステイサムとアクションじゃダメだったんか…。

で、ウワイスの方は事前に観た感想であんまり期待せずに観てたんだけど、やっぱこういうアクションの客演にありがちな「見せ場の少なさ」にガッカリ…。ステイサムと途中シュバババと足技披露した時には、おぉ!遂にシラット見せてくれんのかぁー!!とワクワクしてたらそれもなく、単にガンナーからパクった斧でやられちゃう中ボスっぷり…。トンファーとか良いんだよ!ウワイスのシラットがこっちは観たいんだよ!!本当にガッカリ…。

まぁエクスペンダブルズ側の今作での「お助けキャラ」、「マッハ!」シリーズのトニー・ジャーが演じるデーシャに関しては、そもそも個人的には「マッハ!」を通っていないことと実写版「モンハン」で彼の持ち味を全然発揮してないガッカリの前例があったから、そもそも期待してなかったんだけど、それにしては棒術といい、船上でのアクションといい、ウワイスよりかは見せ場はあった方かなぁ。それよりも「俺が出向いたら全てが破壊されてしまう…」とか遠慮しといて、めちゃくちゃでしゃばってくるのが面白かった笑。

ただ、そんななんだかなーも最後にチームを後に残して1人、「黒幕」の部隊と多対一で戦うクリスマス、敵の銃弾雨霰の大ピンチの状況下で現れたのは、やっぱり生きてたバーニーの姿に全てまるっと収まった!!もうぶっちゃけ本当に死んだんじゃないかとハラハラしてたんだけど、ふっつーに生きてて安心したよ!!もうこれだけでそれまでの不満点も(それなりに)挽回できる展開で良かった!!

ただ、敵の船を爆破してめでたしめでたしの後、待ってました!!な今回もあります!打ち上げシーンで明かされるバーニー生存の種明かしなんだけど…。

伏線回収にしてはあまりにも鬼畜すぎないか笑笑??いくらなんでも酷すぎるよ笑、バーニー!!

ただ、そんなズコーーッとなるラストだったけど、バーニーとクリスマス2人並んで朗らか笑顔で終わるラストショットは絵力の凄さもあり、なんか全部許しちゃうなぁー笑。

そんな感じでこれがラストかよと思うと不満点もシリーズ史上1番ある作品ではあるけど、変にお涙頂戴なラストにするのではなく、あくまでスライとステイサムのイチャイチャで終わらせる道を選んだのも本作らしいっちゃらしいか!!

とは言え、これでラストなんて言わずに、今度は一作目に立ち戻って本家スライ監督による本当の最終作が観たい…と感じる内容ではありました。
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