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許された子どもたちのkagawaのネタバレレビュー・内容・結末

許された子どもたち(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

主役の方の目の演技が素晴らしい。彼の複雑な心境を探るように見てしまった。
登場人物たちに対する共感出来たり出来なかったり、その振れ幅にやられる。警察に自白した後の流れ。流石に後ろめたさでいっぱいなのかと思ったら、判決を言い渡された帰り道は「罪にならなくて良かった!!」って思いっきり解放された表情だから驚いた。(でもまぁ確かに加害者がそんな簡単に反省しないよなぁ、結局自分が一番大事だし、さらに中学生だし…)自分が中学生でもし同じ立場にいたらどう反応しただろうかと考えさせられる。

この監督は映像と音楽がとにかくカッコいい。
河原をズカズカ歩いていく少年たち。一人ずつ「不処分、不処分、」とバキバキの赤い文字が画面に出てきて、最後に「許された子どもたち」。このタイトルコールは一生忘れないだろーなー。

さらにボウガンに取り付けたカメラからの撮影。少年が走って揺れるボウガンはそれでも画面の中央に固定されたままで、風景だけがギュルギュルと回転する映像は衝撃的なカッコよさだった。

あとは早回しの風景とインターネットの書き込みの融合。「掲示板」という映像的に退屈になりがちなものも、ここまで刺激的にできるんだなぁと。岩井俊二の「リリィ・シュシュのすべて」においても、こういった取り組みがされていたことを思い出した。

掲示板の書き込みも、草むらのなかボウガンを持って暴れるところも、疾走感を伴った演出が素晴らしい。
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