ホッシ

許された子どもたちのホッシのネタバレレビュー・内容・結末

許された子どもたち(2019年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

な、な、な、なるほど~~~~。
最後、ここで終わるのか・・・と思ったが、ちょっと納得かも。

犯人の子は、暴力的で気に入らないことがあればすぐ手を出すのに、親の前では大人しいし、反抗しない。で、家族でカラオケに行くことが習慣になってる。
このくらいの年代の男子って、家族でカラオケなんて行かないやん??だから最初は「無理やり行かされてんのかな」「親に付き合ってんのかな」って思ってたが、どうやらそういうわけじゃない。というか、親とカラオケしてるときが一番年相応っぽく笑えているなと思う。
ここが最初、ちょと異質だなあと感じた。

親もちょっとおかしい。母親はとにかく先走ってしまう感じで、多分、アレだ!!と思ったらすぐ行動しちゃうタイプ。息子のことも決めつけて誘導するし、自分達を守るために被害者の家が悪だと決めつけ、自分達のことを棚に上げて風評被害を撒き散らす。父親は母親を制御できない。息子は大人しく母親の言うことを聞く。すごく歪だなあと思った。

そして、おそらくこの映画を見てるみんなが胸糞に思った裁判シーン・・・。あれ、まじでなんなのか・・・。私はあんまり詳しくないんだが、あれがリアルなの???被害者のことはお構いなしに、加害者の少年だけ守る・・・。遺族の人達に冷たすぎないか・・・?あまりに人の心がなさすぎないか・・・?と感じた。あんな対応されたら、そりゃ遺族も怒るよ。

そしてその後、加害者の少年は転校して、自分を抑え込みながら生活するわけだが・・・。そこでも過去をバラされてしまい、ネットで拡散されて、おそらく父親も会社をクビになってる。まったく同情できないが、そうやって何回も逃げてきたんだろうなあと思うと、生活も成り立たないし大変だなと感じた。

加害者の少年は、かなり精神的に幼いんじゃないかなと思った。
もともと暴力的で歯止めが効かないところも、自分をコントロールできないってことだし。
冒頭に指をしゃぶっていたのも、親と一緒にカラオケに行くのも、親といる時が一番生き生きしているのも、親の前では幼い子どものままなんだろうなあって。
そして後半で出会った、もしかしたら心を開けるかもしれない少女も、おそらく『自分を楽にしてくれなかった=裏切られた』という感じで、すっと捨てる。

一度は親離れして、その少女と生きていくかと思いきや。多分、「自分をわかってくれない」「自分のために尽くしてくれない」と思ったんじゃないかな。それで母親とまた一緒になったのかなと。
ここの描写も、少年の幼さを描くために必要だったんだろうなあと思った。

しかし、母親がヒロインばりに走り回るシーンは要らなかったと思うけどwすごい感動的に演出していたが、お前が毒親だってこと知ってるからな???と冷めた目で見てしまった。

この少年がどうなるのかわからないが・・・母親と本当に離れることができなければ、変われないのではないかなあと感じた。
面白かったです。
ホッシ

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