そう

許された子どもたちのそうのレビュー・感想・評価

許された子どもたち(2019年製作の映画)
4.1
罪とは何か、善悪とは何なのだろうか。
この物語を俯瞰しながら見ることによって、それぞれの立場における心情や守りたいものが見えてくる。
生死が関わる状況下において、人間は自己利益を優先するし、他者への理解もなければ苦衷を察することもない。
物語が進み、被害者遺族、加害者とその家族それぞれが世間から攻撃を受け、弱者理解を行える立場になるのにも関わらず、最後まで己を優先した生き方を選ぶのが、リアリズム的だと感じた。
現実、こうした状況に陥り、改心することなく、今までの生き方を変えずに進み続けてしまう人も多くいるのだろう。
自身の言動を顧みて、反省し、罪を償う選択を期待してしまったが、それは願望であって現実ではない。
人間はそう簡単には変わらないし、ましてや中学生という善悪の区別がより一層つかない少年には難しいものなのだろう。
私も被害者の母のように、少年を可哀想と感じてしまった。
視聴中、何度も溜め息が出てしまうほど苦しい作品ではあったが、また善悪を考え直すときに観てみようと思う。
そう

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