吉乃

許された子どもたちの吉乃のネタバレレビュー・内容・結末

許された子どもたち(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

教育に携わる者・親になる者は一度観て頂きたい映画です。

私は生々しい暴力シーンが嫌いなので二度と観たくないけど、この問題に向き合う為には何度も何度も観て反芻しないといけないんだろうな
主人公・絆星がどんな気持ちで樹くんを殺したのか、本心は本人にしか分からないけど、、もし反省していたら「暴力の怖さ」を理解するだろうから終盤で虐めている2人組を殴らないと私は思う。
暴力で対抗しないと殺られる と分かっているから暴力をツールとして使ったんだとは思うけどね
絆星は、反省 しているつもりでも何かが欠落しているように見える。なので樹くんのお母さんが所謂「まとも」な人で良かったと感じた。
この映画は、自分が親の立場になった時観るとまた変わるのかもしれないが、今の私には絆星の母親は絆星の成長を阻害する存在だと思った。自分の息子を守りたい一心で嘘をついたこと、絆星を世間の目から隠すため行動を取っていたことから、彼女の「親が子を想う気持ちの重さ」を知ることが出来た。
ただ この場合、それが裏目に出てしまったのではないか。子を想ってすることが、子の成長にマイナスになってしまう事は過保護のようで辛い。

絆星が転校先のクラスで殺人犯と言われ罵られた時、その罵った男の子は「世間の具現化」のようだった。目の前に悪者がいたら、そりゃ叩くよな。ぶっちゃけ、私だってそうすると思う。直接本人に言わなくても、心では確実に思ってる。
でも、そうしたらいけないってのがこの映画の伝えたいことの一つなのかな〜ってちょっと思ったり。

桃子が、絆星更生のキーポイントになるかなと思ってた(実際少しは物語が動いたと思う)けど、桃子は絆星と連むことで桃子自身が片足突っ込んでた非行の道にどっぷり浸かってしまったような気がした。

綺麗事重ねても当事者たちには響かないだろうけど、いじめは本当にしてはいけない。
劇中でも討論していたけど、
いじめられている側の人は全く悪くない。ただただ、いじめている側がひたすらに悪いと私は思う。じゃあいじめている側に向かって反論すればいいって軽々しくいう人もいるかもしれないけど、子どもは、大人みたいに行動範囲が無ければ力も限られてるし、力の差が感覚で分かるもんなんだよね。私もそうだった。
子どもの時代が今後の人生で最重要になるから、彼らの意見を尊重してあげてください。
教育は、正解が無いから人間が生まれてウン千年経った今でも「正しい」マニュアルがない。
でもどうか、自分の子どもを過信しないで。信じることは大切だけど、過信することでおかしくなって、絆星の母のようになってしまうと思う。
吉乃

吉乃