のりちり

アジア三面鏡2016 リフレクションズののりちりのレビュー・感想・評価

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1作目
強制送還されて30年ぶりにフィリピンに帰った主人公。
妻も子も捨て日本にいたのだから、今更、息子を頼りにできない。
そして厩舎で馬の世話をするのだが、最後は、彼の現状と重なる辛さ。
それでもここで生きていくしかないのだろう。

2作目
ボケた日本人が、お金はあるのかマレーシアの一軒家で介護されている。
息子はたまにしかやってこない。
そこにやってきた地元の女性に、彼は心を開いていく。
なぜマレーシアに来たのか、鳩を飼うのか。
お金ではなく心で接してくれた彼女に感謝を残して逝った主人公。
ちゃんと気が付くといいなあ。
彼はボケてなんかいなかった。

津川雅彦の年をとってからの演技であまり観てなかったが、やはりうまい。
亡くなったのが残念。

3作目
カンボジアで無事事業を終わらせた社長は国に帰る。
しかし、彼には、内戦前に現地に残した彼女がいたのだ。
危なくなり、彼女を残して無理やり父と国を出てしまったのが心残り。
再び、内戦後、彼女と会ったが、今となってはどうにもならない。
もう元には戻れない。
だったら、知らなかったほうが良かったという点は「ひまわり」に似てなくもないか。
戦争で良いことなんてない。
のりちり

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