このレビューはネタバレを含みます
映画評価:59点
この作品は、とても難解でした。
前にも映画版を観たことがありましたが、
小説は読んだことはありません。
私が最初観たときには、
役所広司さんを『良心』と捉えていたのです。
広瀬すずさんのためにその父親を殺害し、
広瀬に恥ずかしめを受けさせない様に供述を変えた。
そう私が勝手に理解していました。
そして、この作品の奥深さはソコにあります。
この役所広司さん演じる三隅は、
何も入っていない器として評されています。
まさに私(視聴者)が、
望むであろう結論や解釈に寄り添っていただけ
視聴者の心が三隅を悪と捉えたければ、
この結論や解釈はガラリと変わるでしょう。
この事柄は、
三隅に関わる登場人物にも影響します。
三隅は、その登場人物の求めている応えに
寄り添った行動や言動をしてしまうのかもしれません。
今回の殺人も広瀬すずさんに寄り添った結果だったのでしょうし、供述がコロコロ変わるのも、弁護士や記者、検察の希望に添った発言だったから、ブレブレだったのかもしれません。
実際、彼の心には何も入ってなくて、
関係者の心でその器を満たしていたのでは?
と今回見ていて感じました。
とても奥深く、奇妙な話しです。
正直、映画版を一度観ただけでは
到底理解できない内容だとは思います。
大衆向けではないですね(笑)
私は好きですが、
【2023.4.13観賞】