神なき司法
人の心は灰色、物語も灰色。
サブキャラクターの深度は浅く、役割を果たす為に場面を選ばず心情を吐露しまくる台詞回しに現実味は無い。
また、背中越しに表情が分かるサスペンス劇場の様な演技もちらほら見受けられた。
しかし、是枝監督の作家性は強く表れており、鑑賞後の余韻が心地よい。
カナリアは炭鉱に於いて警報の意味を持つ。
鳴き止んだ時こそ、毒ガスは発生している。
器である事に気付いた重盛のその後のアプローチは映されておらず、裁判員制度という形で我々に託された。
さて、十字架の上に立つ我々はどの道へ進むべきか。