明石です

海底47mの明石ですのレビュー・感想・評価

海底47m(2017年製作の映画)
3.1
将来を考えていた恋人にフラれた腹いせにケージに入ってサメと触れ合うツアーに参加したらケージが壊れ海底47メートルに置き去りにされてしまう。タイトル通り「海底」が舞台のソリッドシチュエーションスリラー。これは正直、観たという記憶以外ほとんど残らないタイプのone of themなパニック映画でした。

最近観た『フォール』がかなりの傑作だったので、上に行く映画が面白いなら下はどうだいと思い鑑賞(『ディセント』は数年前に鑑賞済みだったのでこれを選んだ)。結果、地下ならまだしも海底はあまり画的に興奮しないなと思った。プロットとしても、ボンベの酸素が失われていく中で気まぐれなサメに襲われるだけで捻りという捻りはそこまでない。全く面白くないわけではないものの、ラスト以外そこまで記憶に残らない作品でした。サメ映画に期待しすぎは×ですね。

そもそも、これこそがハリウッド産パニック映画の最大のウィークポイントだと思うのだけど、「頑張った人は最後に報われる」というコンセプトが既定路線なのがよろしくない。そういう正義は勝つ的な前提を覆してくれないとやっぱり楽しめないよなと思う。人はどれだけ頑張ったって死ぬ時は死ぬんだからこんな絶望的な状況なら一人くらいしっかり死んでほしいぜ。

同じソリッドシチュエーションスリラーだと、棺に閉じ込められた主人公があれこれ努力を重ねても何の助けも得られないまま負のカタルシスだけを残して幕を下ろす映画があったら、観終えた後も厭〜な細部まで絶対に忘れないんだけどなあ。そんな映画ないかなあ。
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