まりん

ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれたのまりんのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

父と娘の話は大抵美しいのに、母と息子の話は、どうしてこうも情けないんだろう。

多分、母親は自分と我が子を切り離して見守るって苦手なんだな。息子の痛みは我が身の事のように痛い。息子が現実に傷付き、心折れて倒れる日が怖い。だから、折れないようにその恐怖を紛らわせるように、息子を盛り上げ、ウザがられるほどに現実を見ないのかな。

あんな酷い怪我をおって、変わらずにいるなんて無理だ。周囲を気遣い、立派に振舞って居ても。実際は一人でドアも開けられない。慣れる日は来るかも知れないけれど。どんなに英雄視され騒がれても良かったとは絶対に思えないじゃないか。
例えボストンレッドソックスで始球式をしたって。
私たち直る自信ないよ。

だけど、カルロスとの出会いは、それはもう、本当に幸運だったのだな。
人との出会いって不思議ね。他の誰でも無く彼が居て、お互いに必要で。
ストンと気持ちに整理が付く時が来る。それは、私にも有った。偶然目に飛び込んできた見知らぬ人の呟き。

そして、彼も誰かのそう言うきっかけになれる。それは本当に、お互いにとって救いなのだわ。
まりん

まりん