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ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれたのNightCinemaのレビュー・感想・評価

3.7
自分がもしジェフと同じ境遇だったら。エリンと同じ立場だったら。そんな風にそれぞれの登場人物に感情移入してしまう映画だった。

「自分より周りを助けろ」「彼らは僕を英雄にしたいと思っているから」などの言葉には胸が痛みました。足を失ったことの絶望に体と思考が追いついていない混乱というのがとても伝わってきた。

さもスターのように盛り立てるマスコミや煌めく球場のシーンはジェフやエリンの心境とのちぐはぐさが強調され、面白がるのはもうやめてそっとしておいてあげたいという気持ちになったけど、

物語が進行するにつれ、ジェフは自分が想像もしていないような範囲で人々に影響を与えていたと知っていき、自分の運命を違う方に捉えなおすようになる。それにはやっぱり感動してしまった。

そしてテロを起こした犯罪者の詳細になど触れてやってすらいないことに深く共感した。

何百人ものランナーや応援者が負傷し、その中で両足を失って、再び起き上がった人がいたこと。それを支えた人達の姿。悪意など取り上げてやる必要も無く、命は続いていく。そう思わせてくれる映画。
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