かたゆき

ライ麦畑で出会ったらのかたゆきのレビュー・感想・評価

ライ麦畑で出会ったら(2015年製作の映画)
2.0
真面目過ぎる性格が災いして、クラスでも浮いた存在である男子高校生ジェイミー。
自分を認めてもらうためにある日、彼はとっておきの方法を思いつく。
それは、敬愛するベストセラー作家サリンジャーの代表作『ライ麦畑でつかまえて』を舞台化し、自らの主演で公演しようというものだった。
だが、そのためには原作者であるサリンジャーの許可がいる。思い悩んだ末、ジェイミーは彼がどうやらニューハンプシャーに独りで住んでいるという情報のみを頼りに旅に出るのだった。
唯一の理解者であるクラスメイトの女の子、ディーディーの運転でジェイミーは何とか目的地まで辿り着くのだが……。
もはや生ける伝説と化していた孤高のカリスマ作家に会うために旅に出た、そんな高校生カップルをノスタルジックに描いた青春ロード・ムービー。

僕のこよなく愛する名作『ライ麦畑でつかまえて』をモチーフにしたそんな本作、これがまあなんとも残念な出来の作品でありました。
もう全編に渡って、ダサい演出とダサい映像とダサい音楽のてんこ盛り。
だいたい冒頭、主人公がいきなりカメラ目線となって観客に語り掛けるというよっぽどうまくやらないと目も当てられない結果になっちゃう演出があるのですが、これがまあ見事なまでに目も当てられない結果になっちゃってます。
んで、最後までこの演出を貫くのかと思いきや、それ以降はあっさり放棄って、んじゃ最初からすんなよ!って感じです。
また、主人公に恐ろしく魅力が乏しいのもいただけない。
いきなり押しかけてきて、「あなたの小説がすこぶる良かったので、僕が勝手に脚本化しました。ひいては僕主演で舞台化するので許可ください」なんて言ったら、サリンジャーじゃなくとも誰だってキレるっちゅーの!

唯一良かったのは、主人公を何かと助けてくれるヒロインの女の子が魅力的だったことくらい。
それもかなり童貞男子の妄想が炸裂しまくりでしたけど。
だってこの女の子、
①頼んでもないのに車を出してくれて運転までしてくれて僕を目的地まで連れて行ってくれる
②安宿で一緒の部屋に泊まったら、童貞の僕のために「したいならしてもいいよ」って言ってくれる
③しかも正式に付き合ってないから後腐れもなさそうだし
④んで、ピル飲んでるから避妊しなくていい!
って、昔懐かしの童貞妄想漫画『ボーイズビー』か(笑)。
サリンジャーをテーマにした映画にハズレが多いという僕のジンクスは今回も覆りませんでした。
かたゆき

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