ユカリーヌ

ブルーハーツが聴こえるのユカリーヌのレビュー・感想・評価

ブルーハーツが聴こえる(2016年製作の映画)
3.5
【過去に観た映画】2017.7.2

6人の才能あふれる監督がTHE BLUE HEARTSの名曲をタイトルにし、自由な解釈で作ったオムニバス。

20~30分の短編ながら、凝縮され、センスあふれ、想いもあふれ、どれも見応えがあり、
やはり、映画って、いいなあと。

◼️1本目「ハンマー(48億のブルース)」は台詞のかけあいがおもしろくて、声上げて笑って、ちょっと切なくて、泣けた。
こういうの作りたい!と思わせる、いい感じの話。


尾野真千子が演劇人のダメ男の為に公演のチラシを配ったりして、けなげに支えるのに悩まされる役で、
なんとなく昔の自分を見るようで、同化してしまった。
下北沢のスズナリ劇場も出て来て、懐かしかった。


◼️2本目の「人にやさしく」は近未来SF。
市原隼人がかっこいいアクション。
ちよっと「世にも奇妙な物語」みたいだけど、お金をかけなくても壮大な話ができるといういい見本。


◼️3本目の「ラブレター」は。斉藤巧が脚本家の役で、デブの映画少年だった高校時代にタイムスリップする話。

◼️4本目の「少年の詩」は少年がいい演技をするのもいいし、
画面が昭和の世界をうまく表現していて、レトロ感がいいな。


◼️5本目「ジョウネツノバラ」は凄い。原案と脚本と主演が永瀬正敏。

でも、台詞は一言もなく、画だけで見せる。
それなのに、永瀬の表情、しぐさがぐっと胸に迫る。
この世界観は圧倒的。


◼️6本目は、「1001のバイオリン」。
お目当ての豊川悦司主演。

福島での原発作業員で、震災後、東京に移住した一家。
子どもたちに東京になじんでいくが、父親(トヨエツ)だけは、福島に置いて来た犬のタロウのことを悔み、立ち入り禁止区域に戻って、探したりする。

社会派のテーマであり、家族の再生の話でもあり、胸に響く。
さすが、監督は「フラガール」「悪人」の李相日監督!
ユカリーヌ

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