玉置雄也

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリーの玉置雄也のレビュー・感想・評価

4.5
パイをすくっては食べすくっては食べを繰り返すのだが、途中でかけらがこぼれたのも気付かずに(気付いていたとしても無視して)食べ続ける様子、人生そのものってかんじがした。で、それを見つめるしかないゴースト。観客とゴーストの心情が重なる。そこがめちゃくちゃグッときた。もどかしさを共有してしまったので、あとはひたすらゴースト目線で画面を見つめ続けることになった。俺の感情が消えた。

あと、ゴーストの消えるタイミングが完璧だった。あまりの突然さに永遠を否定されてしまい、すごいと思った。しかも布を被さった瞬間から表情(→心)が消えてるので、布だけが残ってもそれは何も残ってないのと同じ。感情が消えた、と書いたけど実際はエンドで泣いてたので俺の感情は消えてなくて、そのことも悲しくて。ゴーストは消えてしまって映画も終わった。全部ひっくるめて悲しくて余計に泣いてしまった。
玉置雄也

玉置雄也