かさま

夜明け告げるルーのうたのかさまのネタバレレビュー・内容・結末

夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

夢を諦めた大人、それもクリエイティブな業界への夢を諦めた経験のある大人というのが結構出てくる。それらの大人たちは、また別の夢や目標を持っていたりする。カイの母のように夢を実現し、もしくは追い続け東京にいる人もいる。カイや遊歩、国夫はそれぞれ、将来が見いだせなかったり目指したい憧れを持っていたり家族の手前大っぴらに好きなことをやれなかったりしているが、そういった子どもたちの未来について様々な道が示されていると思う。子供向けを意識して作ったらしいが、映像の楽しさもあって、低年齢層の子供に見せても良い作品なのではないかと思った。
大筋は、人間と他種族が出会って交流するタイプのお話の王道を行ってると思う。ファンタジー的な要素に夢に関する前向きな示唆もあるが、特に産業もなさそうな田舎町の閉塞感はリアルだなあと思った。町の人がルーを搾取する様子も生々しいキツさがあった。現実の辛さも絵的にきっちりと見せているが、岩壁に覆われた町、その中にいる人魚の能力、ダンスシーンなど、アニメ的表現の気持ちよさも存分に感じられる。
ワン魚めちゃくちゃ可愛い。
かさま

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