自分がティーンエイジャーのときに、こんな映画を観たかった、と思った。だとしたら、共感、感動、せつなさ、カタルシスをもっと味わえたと思う。
でも実際には私は大人だから、物足りなく感じてしまう。
アニメーションとしては新しい表現を見せて貰えた感があるが、ストーリーや世界観、人物設定（特に大人たち）が類型的すぎて萎える。
物語を進めるために用意された駒を動かしているだけの人物描写が多くて残念なのだ。
地方のまちの衰退と活性化、若者の東京への憧れと挫折など、題材として取り上げるなら、表面だけなぞってちゃ本気で悩んでる人には届かない。地方vs.東京、夢vs.現実、といった二極的な価値観にこそ、折角自由なアニメ作品なのだから揺さぶりをかけられたはず。
全体として、綺麗に仕上がったスノードームのような、引っかかりのない映画になっている。
とはいえ、アニメーション作品として動画の魅力は味わえたから点が甘くなりました。
