しゅん

さらば愛しきアウトローのしゅんのレビュー・感想・評価

さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)
3.5
夜の車を真ん前から捉えたショットでスーパー8の画質の意味を知る。ケイシー・アフレックと子供達の様子を車内と上空から交互に繋ぐ編集、横から撮るカーチェイス、反復される押しベルとメモの交換、馬のネックレスを触るシシー・スペイセクに投射される赤のライト。細部にいちいち効き目があり、その軽やかな拘りがフォレスト・タッカーなる人物の遊戯心と美意識に共振しているところが本作最大のポイント。『ゴーストストーリー』より好き。
ケイシーとロバート・レッドフォードのトイレ邂逅はストーリー的にもハイライトだけど、レッドフォードが去った直後にカメラが引いて鏡にケイシーだけ映るところが最高にカッコいい。スコット・ウォーカーやキンクスの曲の使い方やダニエル・ハートのダンディズム溢れるスコア(ベック『シーチェンジ』のストリングアレンジを思わせる)も気が利いてる。
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