てるる

羅生門のてるるのレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
3.8
言わずと知れた名作にして、黒澤明の名前を世界に知らしめるきっかけとなった作品。

インド映画「命ある限り」でアキラという名前を聞いて「日本人?」て聞いたり、「クロサワ監督」て呼びかけるシーンがあったし、サタジット・レイ監督もこの作品を3日連続で観たというくらい。

高校生くらいの時に観た時はVHSなので画質も音質も悪くてストレスだったんだけど、ネトフリだと字幕も付いてるし最高です👏

海外からの評価では光の使い方や撮影方法などが特に評価されているけど、ひとつの出来事を複数からの視点で描く手法もその後の映画史に影響を与えまくっている。

それと本来は芥川龍之介の「藪の中」の話がメインだったところ、羅生門の一部を拝借し、人間の醜さの中に希望を見いだせる内容にした黒澤監督の脚本能力もさすが。

結果的にストーリー自体が「藪の中」にならないので、タイトルを「羅生門」に変えたのも納得。
このあたりは黒澤監督の天才ぶりが発揮されてるよなぁ。

そして三船敏郎と京マチ子が、視点によってまるで違う性格の人物のように見せてくれる演技力もさすが。

ただ、やはりレイプものの話なのでストーリー自体は好きじゃないです。
夫の目の前で妻をレイプとか多襄丸死ねばいいのにとしか思えません。
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