このレビューはネタバレを含みます
黒澤明監督の映画、初視聴。
羅生門の短さで映画作れるのか? と思ったけど、藪の中を組み込んでるのね。
人間の都合の良さ、心の汚さ醜さを描き出す一方で、最後に救いがあった。
仏教の十界の概念を思い出した。すべての人間の中に地獄の命から仏の命まで、十の命がある。
人間の醜さに開き直り、諦め、赤子の着物を剥ぎとって行ってしまう下人と、罪を犯しながらも捨てられた赤子を引き取っていく杣売りが対照的。
現代は性悪説がそれなりに説得力を持っている気がするけど、人間の悪の部分を受け入れながら、それでもできるだけ少しずつ良く生きようとしていくものなのではないかなぁ。