シマヘム

羅生門のシマヘムのネタバレレビュー・内容・結末

羅生門(1950年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「豪放さと狂気、それらを裏付ける武力と信念を持つ無法者」
「夫への一途さのあまり乱心した妻」
「薄情な妻に裏切られ、無念の中自害した不憫な夫」
……それらが各々の体裁を繕うための嘘であることを、事件を目撃した杣売りは知っていた。見栄や保身、逆恨みなどといった人間の身勝手さに触れて狼狽える彼だが、自身もまた——。

検非違使に証言を述べる直前、多襄丸はしかめ面で雲を眺めていましたが、あの時「傑物・多襄丸様の最高にカッコいい武勇伝」を必死に推敲していたのでしょうか。実際、多襄丸の(でっち上げの)回想の中での三船敏郎の演技には痺れました。それでいて最後の剣戟シーンではちゃんと小物らしくダサいのが面白かったです。
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